器械縫合に手縫い補強を加えた気管支断端閉鎖法

気管支断端の器械縫合は操作が簡便かつ清潔であるが, 断端瘻の発生率が2.2%から18.2%とされる. 従来我々は, 器械吻合にPDS連続縫合を加える閉鎖法を用いているが, 本法は手技が容易且つ瘻発生の抑止に有用と考えられたので報告する. 〔対象〕1988年から1997年まで当院で施行した肺葉切除以上の肺切除例(管状切除を除く)192例. 〔結果〕断端は器械縫合にPDS往復連続縫合6‐7針を加える標準法(145例;全摘18/葉切127), 器械縫合のみ(15例;全摘1/葉切14), 器械縫合+プレジェット(2例;全摘1/葉切1), 器械縫合+手縫い+プレジェット(4例;全摘1/葉切3), 器械縫...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 広瀬由紀子, 住友正幸, 長野貴
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:気管支断端の器械縫合は操作が簡便かつ清潔であるが, 断端瘻の発生率が2.2%から18.2%とされる. 従来我々は, 器械吻合にPDS連続縫合を加える閉鎖法を用いているが, 本法は手技が容易且つ瘻発生の抑止に有用と考えられたので報告する. 〔対象〕1988年から1997年まで当院で施行した肺葉切除以上の肺切除例(管状切除を除く)192例. 〔結果〕断端は器械縫合にPDS往復連続縫合6‐7針を加える標準法(145例;全摘18/葉切127), 器械縫合のみ(15例;全摘1/葉切14), 器械縫合+プレジェット(2例;全摘1/葉切1), 器械縫合+手縫い+プレジェット(4例;全摘1/葉切3), 器械縫合+手縫い+肋筋弁(5例;全摘5), 手縫いのみ(14例;全摘2/葉切12), 手縫い+プレジェット(1例;葉切1), 手縫い+肋間筋弁(1例;葉切1)にて閉鎖した. 断端瘻は3例に発生し, 左全摘断端陽性(手縫い)1例, 左下葉切除及び右中下葉切除で気管支・肺動静脈をskeletonizeした症例(器械, 標準法)各1例であった. 合併症の有無に関連は認めなかった. 〔考察〕標準法は, 気管支瘻の発生が0.69%と通常の肺切除には安全な閉鎖法である. しかし, 断端虚血を強く伴う手術例では, 肋間筋弁等の追加補強が必要と考えられた.
ISSN:0287-2137