喀血によって発見された気管炎症性ポリープの1例
血痰を主訴に来院し, 気管支鏡検査で肉眼的に扁平上皮癌を疑った気管炎症性ポリープの1例を経験したので報告する. 症例は65歳, 男性. 血痰を主訴に当院を受診した. 既往歴, 家族歴に特記すべきことはなく, 喫煙指数は1000である. 血液生化学検査所見, 腫瘍マーカーに異常はなく, 胸部X線写真, CTスキャン上も異常所見は認めなかった. 気管支鏡検査を施行したところ, 声帯から5cm末梢の気管に径約4mmの凹凸不整の小隆起を認めた. 肉眼的に気管原発癌を疑い, 擦過細胞診および生検を施行したが, ともに悪性所見は認めず, 病理組織学的には気管の炎症が疑われた. 1週間後の気管支鏡検査では同...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 血痰を主訴に来院し, 気管支鏡検査で肉眼的に扁平上皮癌を疑った気管炎症性ポリープの1例を経験したので報告する. 症例は65歳, 男性. 血痰を主訴に当院を受診した. 既往歴, 家族歴に特記すべきことはなく, 喫煙指数は1000である. 血液生化学検査所見, 腫瘍マーカーに異常はなく, 胸部X線写真, CTスキャン上も異常所見は認めなかった. 気管支鏡検査を施行したところ, 声帯から5cm末梢の気管に径約4mmの凹凸不整の小隆起を認めた. 肉眼的に気管原発癌を疑い, 擦過細胞診および生検を施行したが, ともに悪性所見は認めず, 病理組織学的には気管の炎症が疑われた. 1週間後の気管支鏡検査では同病変に著変はみられなかった. 再度, 生検等を施行したが悪性所見は得られなかった. 以上より炎症性腫瘤を疑い経過観察とした. 1ヵ月後の気管支鏡検査では著しい腫瘍の縮小傾向を認め, 2ヵ月後の気管支鏡検査では腫瘍は消退していた. 確定診断が得られない気管の腫瘤性病変では炎症性ポリープも念頭におくことにより, 不必要な切除は避けられるものと考える. しかし, この際には定期的な気管支鏡検査を施行すべきである. |
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ISSN: | 0287-2137 |