気管支鏡を用いた内視鏡療法の有効性と問題点の検討
〔目的〕最近, 気管支鏡を用いた内視鏡治療が進歩し, レーザーおよびステントが用いられている. 当院における内視鏡療法の有効性・合併症および問題点を検討した. 〔対象〕1991年1月から1997年12月にかけてexpandable metallic stent(EMS)を挿入した気道狭窄18例(良性狭窄6例, 悪性狭窄12例)およびレーザー治療を施行した32例(胸部X線無所見肺癌9例, 気道狭搾21例, 気管支肉芽2例)を対象とした. 〔結果〕6例の良性狭窄EMS留置例は留置後3年~6か月(平均19か月)経過観察中であるが全例生存中である. 肺癌管状切除後の肉芽狭窄の3症例では, 肉芽の増殖の...
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Zusammenfassung: | 〔目的〕最近, 気管支鏡を用いた内視鏡治療が進歩し, レーザーおよびステントが用いられている. 当院における内視鏡療法の有効性・合併症および問題点を検討した. 〔対象〕1991年1月から1997年12月にかけてexpandable metallic stent(EMS)を挿入した気道狭窄18例(良性狭窄6例, 悪性狭窄12例)およびレーザー治療を施行した32例(胸部X線無所見肺癌9例, 気道狭搾21例, 気管支肉芽2例)を対象とした. 〔結果〕6例の良性狭窄EMS留置例は留置後3年~6か月(平均19か月)経過観察中であるが全例生存中である. 肺癌管状切除後の肉芽狭窄の3症例では, 肉芽の増殖のためレーザー焼灼を要し, 1例で膜付きEMSを追加挿入した. 気管支結核例では2年3か月現在合併症はみられず生存中である. 12例の悪性狭窄EMS留置例は, 9例がステント挿入後8か月から2日(平均4.5か月)で癌死し, 3例が4か月・4か月・2か月担癌生存中である. レーザー治療に関しては, 胸部X線無所見肺癌9例中, 6例でCR, 3例でPR, 気道狭搾例では全例で症状の改善をみた. 重篤な出血は見られなかったが, 1例で急性心筋梗塞を発症した. 〔結論〕EMS挿入例では, ステント内へ肉芽や腫瘍の再増殖が問題となったが, 痰の喀出性は良好で重篤な合併症はなかった. EMS留置の際, EMSが拡張時軟骨層の内側に留まる程度の外径を選択し, 悪性腫瘍および肉芽等の柔らかい狭窄では膜付きEMSを選択すべきである. レーザー治療は内視鏡的早期肺癌例に対して有効であり, 気道狭搾病変の症状改善に寄与した. |
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ISSN: | 0287-2137 |