温故知新, 全身麻酔による気管支鏡の現状と将来展望(第 21 回日本気管支学会総会)

百年に及ぶ気管支鏡の歴史を振り返ると, 多くの先駆者の努力, 情熱, 卓越した創造力などによって今日の隆盛がもたらされたことが分かる. その歴史の初期においては直達鏡の開発・改良と, より鮮明な視野を得るための光源の開発, 麻酔や手術手技の改善などに力が注がれ, 気管支ファイバースコープや電子内視鏡が実用化された近年では, 検査精度の向上と内視鏡的処置(治療)の適応範囲の拡大と安全性の確保への努力が中心になっている. 現在のファイバースコープは過去の硬性鏡などと比較して, 安全性と低侵襲性の面で格段の差があるものの, 気道という反射機能の発達した器官に異物である内視鏡を挿入し, しかもそこで施...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 1998/04/25, Vol.20(3), pp.199
1. Verfasser: 嶋田, 晃一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:百年に及ぶ気管支鏡の歴史を振り返ると, 多くの先駆者の努力, 情熱, 卓越した創造力などによって今日の隆盛がもたらされたことが分かる. その歴史の初期においては直達鏡の開発・改良と, より鮮明な視野を得るための光源の開発, 麻酔や手術手技の改善などに力が注がれ, 気管支ファイバースコープや電子内視鏡が実用化された近年では, 検査精度の向上と内視鏡的処置(治療)の適応範囲の拡大と安全性の確保への努力が中心になっている. 現在のファイバースコープは過去の硬性鏡などと比較して, 安全性と低侵襲性の面で格段の差があるものの, 気道という反射機能の発達した器官に異物である内視鏡を挿入し, しかもそこで施行する処置が多岐多様になりつつある現状と将来を考えると, 麻酔方法に関して改めて検討を加える必要があると考えられる. そこで, (1)患者の苦情と不安を完全に除去し, しかも安全で, (2)可及的多くの施設で小人数でも施行し得る簡便性を有し, (3)充分なcost benefitがあり, (4)日帰り検査(day examination)が可能な麻酔方法の確立を目的として以下の検討を行った.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.20.3_199