肺分画症の1手術例

症例は, 23歳, 女性. 検診にて胸部XP上, 左下肺野S^10 領域に2結節影を指摘された. 胸部CT所見ならびに血管造影で, 同部位は左胃動脈か分枝する異常動脈により支配されており, 肺分画症と診断した. 手術所見では, 分画肺はS^10に位置し, S^9 部と一部末梢側で分離していたが, 中枢側は正常肺に連続していた. 同部位を区域切除した. 病理所見では, 互いに交通の無い2結節病変は, mucusを充満する気管支嚢胞様で周囲は小円形細胞浸潤や繊維組織の増生を認め, 血管構成は, 弾性の異常動脈により支配されていた. なお中枢側の嚢胞は正常気管支に移行する部分があり, 気管支拡張症に...

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Hauptverfasser: 木内茂之, 横須賀哲哉, 伊藤宏之, 伊藤秀幸, 野村友清, 矢野真, 森田敬知, 稲垣敬三, 新野史
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は, 23歳, 女性. 検診にて胸部XP上, 左下肺野S^10 領域に2結節影を指摘された. 胸部CT所見ならびに血管造影で, 同部位は左胃動脈か分枝する異常動脈により支配されており, 肺分画症と診断した. 手術所見では, 分画肺はS^10に位置し, S^9 部と一部末梢側で分離していたが, 中枢側は正常肺に連続していた. 同部位を区域切除した. 病理所見では, 互いに交通の無い2結節病変は, mucusを充満する気管支嚢胞様で周囲は小円形細胞浸潤や繊維組織の増生を認め, 血管構成は, 弾性の異常動脈により支配されていた. なお中枢側の嚢胞は正常気管支に移行する部分があり, 気管支拡張症に相当すると考えられる. 一方末梢側のものは, 正常肺と分画されており肺内分画症と診断した.
ISSN:0287-2137