外傷性気管損傷後の気管狭窄に対する各種ステントの使用経験

症例は35歳, 男性。自家用車運転中電柱に激突し受傷。右肺挫傷および右主気管支断裂を認め, 右肺全摘除を施行した。さらに, 外傷によって気管軟骨が断裂し気管が前後方向につぶれる形で狭窄したため, EMSを挿入した。しかし半年後, EMSが破綻して拡張力が低下し気管再狭窄を生じたためEMSを抜去し, ダイナミックステントを挿入した。2ヵ月後ダイナミックステントは咳嗽によって口側に浮き上がり声帯近くまで達したため, Dumonステントに入れ替えた。さらにこのDumonステントも気管径と合わず位置ずれを生じ, 結局皮膚とステントを体表から糸で固定した。気管ステントには現在さまざまな種類のものが存在す...

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Veröffentlicht in:気管支学 1997/09/25, Vol.19(6), pp.489-492
Hauptverfasser: 渡辺, 俊一, 小林, 孝一郎, 佐藤, 日出夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は35歳, 男性。自家用車運転中電柱に激突し受傷。右肺挫傷および右主気管支断裂を認め, 右肺全摘除を施行した。さらに, 外傷によって気管軟骨が断裂し気管が前後方向につぶれる形で狭窄したため, EMSを挿入した。しかし半年後, EMSが破綻して拡張力が低下し気管再狭窄を生じたためEMSを抜去し, ダイナミックステントを挿入した。2ヵ月後ダイナミックステントは咳嗽によって口側に浮き上がり声帯近くまで達したため, Dumonステントに入れ替えた。さらにこのDumonステントも気管径と合わず位置ずれを生じ, 結局皮膚とステントを体表から糸で固定した。気管ステントには現在さまざまな種類のものが存在するが各々の長所, 短所をよく理解した上で個々の症例に最も適したものを使い分ける必要性があると思われる。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.19.6_489