気管切開後の気管腕頭動脈瘻の 1 例と本邦報告例の文献的検討

症例は79歳男性で, 30年前に左膿胸で手術を受け, 1994年6月肺癌で右下葉切除術後, 50Gyの放射線療法を施行された。右膿胸, 慢性呼吸不全で2度入院し, 以後, 在宅酸素療法を受けていた。1996年8月17日, 心肺停止の状態で当院に搬送され, 心拍動は再開したが脳死状態で人工呼吸器管理となり, 8月26日第2-3気管軟骨輪で気管切開を施行した。気管切開後第87日の11月18日, 口腔内より突然大量出血した。気管カニューレのカフ内圧を上げることにより一時的に止血できたが, 21日再び大量出血して死亡した。剖検所見では気管切開孔より1.8cm末梢で気管と腕頭動脈との間に瘻を形成していた...

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Veröffentlicht in:気管支学 1997/07/25, Vol.19(5), pp.400-404
Hauptverfasser: 長坂, 不二夫, 大森, 一光, 北村, 一雄, 並木, 義夫, 村松, 高, 西村, 理, 羽賀, 直樹, 古賀, 守, 四万村, 三恵, 瀬在, 幸安, 楠美, 嘉晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は79歳男性で, 30年前に左膿胸で手術を受け, 1994年6月肺癌で右下葉切除術後, 50Gyの放射線療法を施行された。右膿胸, 慢性呼吸不全で2度入院し, 以後, 在宅酸素療法を受けていた。1996年8月17日, 心肺停止の状態で当院に搬送され, 心拍動は再開したが脳死状態で人工呼吸器管理となり, 8月26日第2-3気管軟骨輪で気管切開を施行した。気管切開後第87日の11月18日, 口腔内より突然大量出血した。気管カニューレのカフ内圧を上げることにより一時的に止血できたが, 21日再び大量出血して死亡した。剖検所見では気管切開孔より1.8cm末梢で気管と腕頭動脈との間に瘻を形成していた。自験例を含めて検索しえた文献的報告例は29例で, 出血機序による検討では"extratracheal type"が5例, "endotracheal type"が21例であった。従来, 予後不良であったが最近では救命例の報告が増加している。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.19.5_400