気管支内悪性腫瘍に対するビデオ内視鏡を用いた経気管支鏡的エタノール注入療法
〔目的〕中枢気道が腫瘍により狭窄, 閉塞した場合, 無気肺, 閉塞性肺炎を合併し患者のQuolity of lifeは著しく低下する. 従って気道開存が治療上の重要な目標となる. このような症例に対して当施設では気管支鏡下エタノール注入を施行している. 今回, 我々は, 気管支内悪性腫瘍に対しビデオ内視鏡システムを使用し, 経気管支鏡的にエタノール注入療法を施行した7例を経験したのでその有用性について検討した. 〔対象〕患者背景は7例全て男性, 年齢は52歳~65歳, 平均60.0±4.4歳, 基礎疾患は原発性肺癌5例, 転移性肺癌1例, 転移性気管癌1例について検討した, 〔結果〕各症例のエ...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 1997, Vol.19 (4), p.63-63 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕中枢気道が腫瘍により狭窄, 閉塞した場合, 無気肺, 閉塞性肺炎を合併し患者のQuolity of lifeは著しく低下する. 従って気道開存が治療上の重要な目標となる. このような症例に対して当施設では気管支鏡下エタノール注入を施行している. 今回, 我々は, 気管支内悪性腫瘍に対しビデオ内視鏡システムを使用し, 経気管支鏡的にエタノール注入療法を施行した7例を経験したのでその有用性について検討した. 〔対象〕患者背景は7例全て男性, 年齢は52歳~65歳, 平均60.0±4.4歳, 基礎疾患は原発性肺癌5例, 転移性肺癌1例, 転移性気管癌1例について検討した, 〔結果〕各症例のエタノールの総注入量は3.2ml~7.4ml, 平均4.3±1.4mlであった. 著効例3例, 有効例2例, 無効例2例であり, 副作用は全例とも認められなかった. 予後は4例が死亡しているが生存日数は53日~484日の平均200.6日(約6.7ヶ月)であった. 〔考察〕本治療の利点は操作が簡易であり, 安価であり, 特殊な設備を必要せず, 重篤な副作用がない. 有効例での腫瘍の発育はポリープ状であり, 無効例での腫瘍は粘膜下浸潤で圧排性の発育であった. 本治療法は, 中枢気道が腫瘍により狭窄, 閉塞した場合, 気道開存の維持に有効であると思われ, 姑息的, 対症的治療法としてQuolity of lifeの改善に有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 |