九州地区における胸腔鏡下手術の現況

急速に普及している胸腔鏡手術に関しては, その有用性および問題点についての議論が多い. そこで教室では九州地区における胸腔鏡下手術の現況についてアンケート調査を施行した. 〔対象〕調査期間は胸腔鏡下手術を開始してから1995年12月までで, 参加は九州地区の内科を含む84施設であった. 〔集計結果〕開始時期は1991年の7施設より始まり, 1992年が32施設で最も多かった. 総手術件数の総計は3293例であり, 1991年の65例から増加し1995年は1252例となった. 症例手術別ではブラ切除術が1950例と最も多く, 次に肺部分切除術が707例, 嚢胞を含めた縦隔腫瘍切除術が178例であ...

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Veröffentlicht in:気管支学 1997, Vol.19 (4), p.59-59
Hauptverfasser: 富田稚樹, 柴田紘一郎, 松崎泰憲, 前田正幸, 清水哲哉, 市成秀樹, 帖佐英一, 星野祐二, 関屋亮, 鬼塚敏男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:急速に普及している胸腔鏡手術に関しては, その有用性および問題点についての議論が多い. そこで教室では九州地区における胸腔鏡下手術の現況についてアンケート調査を施行した. 〔対象〕調査期間は胸腔鏡下手術を開始してから1995年12月までで, 参加は九州地区の内科を含む84施設であった. 〔集計結果〕開始時期は1991年の7施設より始まり, 1992年が32施設で最も多かった. 総手術件数の総計は3293例であり, 1991年の65例から増加し1995年は1252例となった. 症例手術別ではブラ切除術が1950例と最も多く, 次に肺部分切除術が707例, 嚢胞を含めた縦隔腫瘍切除術が178例であった. また, 九州地区とくに南部での特徴とも思われる多汗症に対する交感神経節切除術が71例に施行された. さらに肺葉切除は40例であった. ミニ開胸併用の胸腔鏡下手術が1994年の1015例中80例から, 1995年の1252例中202例に増加し, その適応の拡大を示唆するものと思われた. 遷延性気漏や気胸再発を含めた合併症は227例(6.9%)に生じ, うち死亡例は2例(0.1%)であった. 合併症の対応処置, 開胸術へのコンバート症例, 肺癌肺葉切除術の実際と考え方, 肺内微小病変同定法, 工夫点, 費用とトレーニング方法および今後の問題点と展望等について, アンケート結果を報告する.
ISSN:0287-2137