異型気管支上皮のP53遺伝子異常に関する検討

〔目的〕経気管支生検標本を用い, 気管支異型上皮のp53遺伝子異常について検討した. 〔対象. 方法〕1984年から1995年までに経気管支生検を施行された1394例中病理組織学的に異型上皮と診断された54例(肺癌35例良性疾患19例), 78検体を対象とした. 抗ヒトp53抗体(DO-1)を1次抗体とするSAB-PO法により免疫染色を行い, 更に異型上皮部分をMicrodissection法により剥離しPCR-SSCP法にて遺伝子解析を行った. 〔結果〕異型上皮のp53免疫染色陽性率は全体で44検体56%, 異型度別ではHyperplasiaで38%, Metaplasiaで58%, Dys...

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Veröffentlicht in:気管支学 1997, Vol.19 (4), p.55-55
Hauptverfasser: 若松謙太郎, 高山浩一, 中西洋一, 川崎雅之, 宮崎浩行, 八並淳, 鶴田伸子, 水野圭子, 原信之, 加治木章, 石橋凡雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕経気管支生検標本を用い, 気管支異型上皮のp53遺伝子異常について検討した. 〔対象. 方法〕1984年から1995年までに経気管支生検を施行された1394例中病理組織学的に異型上皮と診断された54例(肺癌35例良性疾患19例), 78検体を対象とした. 抗ヒトp53抗体(DO-1)を1次抗体とするSAB-PO法により免疫染色を行い, 更に異型上皮部分をMicrodissection法により剥離しPCR-SSCP法にて遺伝子解析を行った. 〔結果〕異型上皮のp53免疫染色陽性率は全体で44検体56%, 異型度別ではHyperplasiaで38%, Metaplasiaで58%, Dysplasiaで73%と, 異型度とp53の陽性率には相関が認められた. PCR-SSCP法の結果, p53免疫染色陽性44例中2検体で遺伝子変異の可能性が示唆された. いずれも基礎疾患が肺癌で異型度はDyaplasiaであった. 〔考察〕最近, 異型気管支上皮と発癌との関連性が報告されているが, 異型気管支上皮では, 主に野生型p53蛋白の発現が亢進している可能性が考えられた.
ISSN:0287-2137