気管支洗浄液により診断しえた気管支内異物の1例

症例は6歳, 男児. 平成8年9月23日, 自宅2階の窓より転落し救急車にて近医に搬送. 左前腕骨骨折の診断にて入院. 入院2日後に呼吸苦出現し, 胸部レントゲンにて右無気肺像を認め当院転院となる. 肺挫傷および気管支異物が疑われたが, 転落時の状況, 理学的所見, レントゲン, CTの所見より気管支異物を強く疑い, 同日全身麻酔下気管支鏡を施行. 気管支鏡可視範囲には異物を認めなかったが, 気管支洗浄液中に食物残渣の混入を認め気管支異物と診断された. 可及的に気管支を洗浄した後, 人工呼吸器管理とし, 無気肺は著明に改善した. その後, 一時的に肺炎を併発したが, 抗生剤投与により軽快し第1...

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Hauptverfasser: 西内正樹, 中島秀嗣, 入江利明, 小野完二, 湯浅章平
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は6歳, 男児. 平成8年9月23日, 自宅2階の窓より転落し救急車にて近医に搬送. 左前腕骨骨折の診断にて入院. 入院2日後に呼吸苦出現し, 胸部レントゲンにて右無気肺像を認め当院転院となる. 肺挫傷および気管支異物が疑われたが, 転落時の状況, 理学的所見, レントゲン, CTの所見より気管支異物を強く疑い, 同日全身麻酔下気管支鏡を施行. 気管支鏡可視範囲には異物を認めなかったが, 気管支洗浄液中に食物残渣の混入を認め気管支異物と診断された. 可及的に気管支を洗浄した後, 人工呼吸器管理とし, 無気肺は著明に改善した. その後, 一時的に肺炎を併発したが, 抗生剤投与により軽快し第16病日に退院となった. 一般に気管支異物症例では, 気管支鏡的に異物等の所見を認めることがほとんどで, 本症例のように気管支洗浄液により, 診断された例は少ないと考えられた.
ISSN:0287-2137