自然収縮傾向をみせた肺乳頭型腺癌の1例

症例は48歳, 女性. 平成6年に発熱で近医受診し, 右下葉に異常陰影を指摘されていたが, 抗生剤にて下熱したために観察のみされていた. 平成7年12月から発熱と同陰影の悪化を認め, 当科へ紹介入院となった. 胸部CTにて右S^10 に腫瘤影とその周囲に粒状一斑状陰影を認め, 同様の陰影は右上葉と左舌区にも認めた. 入院後腫瘤は縮小傾向を示した. 喀痰の自覚は無かったが, 気管支鏡では泡沫状の漿液性分泌物を大量に認め, 経気管支生検により肺胞上皮癌と診断. また吸引採取した気管支分泌液はCA19-9の異常高値を示した. 外科的に腫瘤を切除したところ, 腫瘤辺縁は肺胞上皮癌様の組織であったが,...

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Hauptverfasser: 大山眞一郎, 白山宏人, 谷口万紀子, 長谷川吉則, 坂東憲司
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は48歳, 女性. 平成6年に発熱で近医受診し, 右下葉に異常陰影を指摘されていたが, 抗生剤にて下熱したために観察のみされていた. 平成7年12月から発熱と同陰影の悪化を認め, 当科へ紹介入院となった. 胸部CTにて右S^10 に腫瘤影とその周囲に粒状一斑状陰影を認め, 同様の陰影は右上葉と左舌区にも認めた. 入院後腫瘤は縮小傾向を示した. 喀痰の自覚は無かったが, 気管支鏡では泡沫状の漿液性分泌物を大量に認め, 経気管支生検により肺胞上皮癌と診断. また吸引採取した気管支分泌液はCA19-9の異常高値を示した. 外科的に腫瘤を切除したところ, 腫瘤辺縁は肺胞上皮癌様の組織であったが, 中心部は高分化型の乳頭型腺癌であった. 縮小傾向を見せた機序については, 分泌物の吸引と感染の関与が推測された.
ISSN:0287-2137