左下葉 (B^9) に認められた先天性気管支閉鎖症の 1 例

症例は15歳, 男性。健康診断時の胸部X線写真にて左下肺野に3×2cm大の腫瘤状影を指摘され, 精査目的にて受診した。胸部CTでは左S^肺野の気腫状変化があり, mucoid impactionを思わせる腫瘤状構造を認めた。MRIでは腫瘤状構造は, T1, T2強調像ともにほぼ高信号を呈し, 造影効果は認めなかった。3D-CTでは拡張した気管支と, その中枢側の閉塞様所見を得た。気管支鏡検査にて左B^9bの膜様閉鎖を確認し, 先天性気管支閉鎖症と診断した。肺炎の既往なく, 現在も無症状のため外来にて経過観察中である。本症例は部位的に左下葉発生例であり文献的に14.3%と低頻度である。また, 3...

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Veröffentlicht in:気管支学 1996/07/25, Vol.18(5), pp.512-518
Hauptverfasser: 小金丸, 雅道, 藤本, 公則, 目野, 茂宣, 田渕, 絵美, 内田, 政史, 寺崎, 洋, 西村, 浩, 早渕, 尚文, 小金丸, 道彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は15歳, 男性。健康診断時の胸部X線写真にて左下肺野に3×2cm大の腫瘤状影を指摘され, 精査目的にて受診した。胸部CTでは左S^肺野の気腫状変化があり, mucoid impactionを思わせる腫瘤状構造を認めた。MRIでは腫瘤状構造は, T1, T2強調像ともにほぼ高信号を呈し, 造影効果は認めなかった。3D-CTでは拡張した気管支と, その中枢側の閉塞様所見を得た。気管支鏡検査にて左B^9bの膜様閉鎖を確認し, 先天性気管支閉鎖症と診断した。肺炎の既往なく, 現在も無症状のため外来にて経過観察中である。本症例は部位的に左下葉発生例であり文献的に14.3%と低頻度である。また, 3D-CTで閉鎖気管支を推測した報告はなく, 診断に有用と考えられた。さらに自験例を加えた本邦報告62例63病変についても文献的考察を加えた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.18.5_512