びまん性肺疾患における開胸及び胸腔鏡下肺生検の有用性に関する臨床的検討
〔目的〕びまん性肺疾患の鑑別診断ならびに治療方針の決定には組織学的検討の占める割合が大きいと言われている. 当科におけるびまん性肺疾患において, 開胸及び胸腔鏡下肺生検を行なった症例について臨床的有用性について検討をおこなった. 〔対象〕びまん性肺疾患のなかで, 画像診断, 気管支肺胞洗浄, 経気管支的肺生検などの諸検査をおこなっても確定診断にいたらず開胸及び胸腔鏡下肺生検を実施した1987年から1995年までの症例53例を対象とした. 〔結果及び考察〕生検53例(男性29例, 女性24例)の内訳は開胸生検が21例, 胸腔鏡下肺生検が32例である. 病理学的診断としてはUIP33例(IIP29...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 1996, Vol.18 (3), p.83-83 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕びまん性肺疾患の鑑別診断ならびに治療方針の決定には組織学的検討の占める割合が大きいと言われている. 当科におけるびまん性肺疾患において, 開胸及び胸腔鏡下肺生検を行なった症例について臨床的有用性について検討をおこなった. 〔対象〕びまん性肺疾患のなかで, 画像診断, 気管支肺胞洗浄, 経気管支的肺生検などの諸検査をおこなっても確定診断にいたらず開胸及び胸腔鏡下肺生検を実施した1987年から1995年までの症例53例を対象とした. 〔結果及び考察〕生検53例(男性29例, 女性24例)の内訳は開胸生検が21例, 胸腔鏡下肺生検が32例である. 病理学的診断としてはUIP33例(IIP29例, collagen diseaseに伴うもの4例)62.3%と最も多くを占めており, その他IP13例(collagen diseaseに伴うもの2例, 薬剤性によるもの1例), BOOP5例(すべて特発性), 異物性肉芽腫1例, 器質化気管支肺炎1例である. 診断確定後の予後に関しては, 現在までに9例の死亡があり, いずれもIIPで, うち5例が急性増悪例であった. これまでIIP以外で死亡した症例は認められておらず, 予後予測の面からも組織学的確定診断の重要性が考えられた. 生検検査方法として1992年までは開胸生検のみが行われ, それ以降は胸腔鏡下腕生検が主体となっており, 両者のそれぞれの実施上の特徴についても比較検討を加えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 |