小児気管・気管支異物16例の検討

〔目的〕気管・気管支異物はその意外性のため診断遅延しやすく, 特に小児の場合, X線透過性物質が多く, 誤嚥の事実もはっきりせず, 重篤な合併症を引き起こし時に致命的となる. 当院で経験した小児気管・気管支異物症例について臨床的検討を行った. 〔対象〕82年4月より95年12月までの14年9ヵ月間に経験した小児気管・気管支異物16例. 〔結果〕男女比は9:7, 10ヵ月男児より4歳3ヵ月男児で, 1歳代が9例と最も多かった. 異物は豆類が11例, 他食物が3例, 玩具の弾1例, 安全ピン1例であった. 症状は咳嗽12例喘鳴9例で全例何らかの症状があった. 部位は気管1例, 右側8例, 左側5例...

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Veröffentlicht in:気管支学 1996, Vol.18 (3), p.78-78
Hauptverfasser: 石川真也, 藤永卓司, 高橋豊, 玉田二郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕気管・気管支異物はその意外性のため診断遅延しやすく, 特に小児の場合, X線透過性物質が多く, 誤嚥の事実もはっきりせず, 重篤な合併症を引き起こし時に致命的となる. 当院で経験した小児気管・気管支異物症例について臨床的検討を行った. 〔対象〕82年4月より95年12月までの14年9ヵ月間に経験した小児気管・気管支異物16例. 〔結果〕男女比は9:7, 10ヵ月男児より4歳3ヵ月男児で, 1歳代が9例と最も多かった. 異物は豆類が11例, 他食物が3例, 玩具の弾1例, 安全ピン1例であった. 症状は咳嗽12例喘鳴9例で全例何らかの症状があった. 部位は気管1例, 右側8例, 左側5例, 両側2例で, うち1例は右上葉口以外すべて閉塞しており危険な状態であった. 豆類の場合ほとんど誤嚥より数時間以内に来院していたが玩具の弾は5ヵ月を要していた. 全例全身麻酔下に硬性気管支鏡を使用し開胸例はなかった. 14例は60分以内に摘出したが, 他2例は気道浮腫のため全部を摘出し得ず2回目ですべてを摘出した. また, Fogarty catheterを7例に使用し有用であった. 入院期間は1週間以内がほとんどで, 受診遅延, 判断遅延, 広範閉塞例は延長傾向であった. 合併症は, 肺炎の2例のみであった. 〔結論〕硬性気管支鏡は小児気管・気管支異物に対し安全に施行し得た.
ISSN:0287-2137