同一肺葉内転移をきたし, 多発癌と鑑別困難な気管支壁内限局型肺癌の 1 切除例

症例は57歳, 男性。喀痰細胞診発見の右B^9・B^ の扁平上皮癌を内視鏡的肺門部早期肺癌と診断し, 腔内照射を予定したが, CTで右S^6に肺内転移を疑う径15mmの小結節影が認められた為, 方針を変更し, 右下葉切除術とリンパ節郭清(R2a)を行った。右B^9・B^ 病変は細胞異型が強く脈管侵襲のある低分化型扁平上皮癌からなり, 長径25mmで筋外層まで達していたが, 気管支壁内に限局していた。右S^6病変は組織型が肺門部病変と同じ低分化型扁平上皮癌であった。気管支壁内限局型肺癌の長軸進展距離が20mmを越えるものではリンパ節転移をおこすことがあり, 本報告例の肺野病巣は多発肺癌と鑑別が困...

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Veröffentlicht in:気管支学 1996/03/25, Vol.18(2), pp.171-175
Hauptverfasser: 赤松, 秀樹, 小池, 輝明, 滝沢, 恒世, 栗田, 雄三, 横山, 晶, 斎藤, 真理
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は57歳, 男性。喀痰細胞診発見の右B^9・B^ の扁平上皮癌を内視鏡的肺門部早期肺癌と診断し, 腔内照射を予定したが, CTで右S^6に肺内転移を疑う径15mmの小結節影が認められた為, 方針を変更し, 右下葉切除術とリンパ節郭清(R2a)を行った。右B^9・B^ 病変は細胞異型が強く脈管侵襲のある低分化型扁平上皮癌からなり, 長径25mmで筋外層まで達していたが, 気管支壁内に限局していた。右S^6病変は組織型が肺門部病変と同じ低分化型扁平上皮癌であった。気管支壁内限局型肺癌の長軸進展距離が20mmを越えるものではリンパ節転移をおこすことがあり, 本報告例の肺野病巣は多発肺癌と鑑別が困難であるが, 肺内転移の可能性が高いと診断した。気管支壁内限局型肺癌であっても, 全身的検索による転移巣の有無, 多発癌および重複癌の有無の確認が必要と考えられた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.18.2_171