先行した慢性間質性肺炎にアトピー咳嗽を合併した皮膚筋炎の 1 例

症例は46歳, 女性。会社の検診で胸部異常陰影を指摘され, 近医で肺線維症と診断されたが, 翌年になって強い咳発作を認めるようになったため当科を受診した。明らかな間質性肺炎の増悪はなく, 呼吸機能では閉塞性換気障害も, 気管支拡張薬による可逆性も認められなかった。喀痰中に少数の好酸球を認めたのでアトピー咳嗽の治療に準じて, アゼラスチンを投与した。咳嗽はやや軽減したが, 効果が十分ではなかったので, プレドニゾロン20mg/日を内服投与開始したところ, 間質性肺炎の改善は得られなかったにもかかわらず咳嗽は速やかに消失した。その後, プレドニゾロンの減量中に四肢筋力の低下とヘリオトロープ疹, C...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 1996/03/25, Vol.18(2), pp.164-170
Hauptverfasser: 小川, 晴彦, 藤村, 政樹, 松本, 依小, 日置, 詩子, 松田, 保
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は46歳, 女性。会社の検診で胸部異常陰影を指摘され, 近医で肺線維症と診断されたが, 翌年になって強い咳発作を認めるようになったため当科を受診した。明らかな間質性肺炎の増悪はなく, 呼吸機能では閉塞性換気障害も, 気管支拡張薬による可逆性も認められなかった。喀痰中に少数の好酸球を認めたのでアトピー咳嗽の治療に準じて, アゼラスチンを投与した。咳嗽はやや軽減したが, 効果が十分ではなかったので, プレドニゾロン20mg/日を内服投与開始したところ, 間質性肺炎の改善は得られなかったにもかかわらず咳嗽は速やかに消失した。その後, プレドニゾロンの減量中に四肢筋力の低下とヘリオトロープ疹, CKの異常高値を認め, 筋生検により皮膚筋炎と診断された。本症例は, 皮膚筋炎に先行した慢性間質性肺炎にアトピー咳嗽を合併したために強い咳発作を認めたものと考えられた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.18.2_164