多彩な気管支鏡所見を呈し TBB により確診が得られた MALT リンパ腫の 1 例

症例は57歳, 男性。微熱, 咽頭痛, 呼吸困難を主訴に入院。表在リンパ節, 両側涙腺, 耳下腺, 顎下腺の腫脹を認めた。胸部X線像, 胸部CT像で気管支壁の肥厚, 中枢側気管支内腔の狭小化および縦隔から肺門部の多発性のリンパ節腫脹を認めた。気管支鏡所見では気管から左右主気管支にかけて小隆起と血管の怒張を伴った粘膜の著しい肥厚が見られ, 気管支内腔は狭窄し, さらに左上下幹ともに同様の病変によりほぼ完全閉塞していた。左上下幹分岐部よりTBBを施行した。TBB標本では核の異型を有する小リンパ球の集族を認め, 免疫染色にてL26陽性であったためB cell type lymphomaと診断した。リ...

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Veröffentlicht in:気管支学 1995/05/25, Vol.17(4), pp.345-349
Hauptverfasser: 河島, 通博, 山田, 穂積, 中原, 快明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は57歳, 男性。微熱, 咽頭痛, 呼吸困難を主訴に入院。表在リンパ節, 両側涙腺, 耳下腺, 顎下腺の腫脹を認めた。胸部X線像, 胸部CT像で気管支壁の肥厚, 中枢側気管支内腔の狭小化および縦隔から肺門部の多発性のリンパ節腫脹を認めた。気管支鏡所見では気管から左右主気管支にかけて小隆起と血管の怒張を伴った粘膜の著しい肥厚が見られ, 気管支内腔は狭窄し, さらに左上下幹ともに同様の病変によりほぼ完全閉塞していた。左上下幹分岐部よりTBBを施行した。TBB標本では核の異型を有する小リンパ球の集族を認め, 免疫染色にてL26陽性であったためB cell type lymphomaと診断した。リンパ節生検, 胃体部生検を加えIsaacsonらが提唱したMALT lymphomaと診断した。本例は肺原発リンパ増殖性疾患の発性母地を考える上で, 有用な症例と考えられたのでここに報告する。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.17.4_345