気管支異物症例の検討

〔目的〕気管支異物は, その意外性のために診断遅延例や誤診例の報告が多い. 当院で経験した気管支異物症例の診断, 治療上の問題点について検討した. 〔対象〕過去13年間に当院で経験した気管支異物症例で年令は7才から83才までの9例. X線非透過性異物5例, X線透過性異物4例を対象とした. 〔結果〕X線非透過性異物5例は全例歯科材料で誤嚥の時期が明らかであった. うち2例が1ヶ月以上の長期停留例であったが胸部X線にて異物指摘可能で診断は容易であった. X線透過性異物は4例とも食物誤嚥で魚骨2例, ピーナツ2例であった. 2例が喀血・血痰, 2例が咳嗽を主訴に受診, 異物誤嚥の自覚がないため診断...

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Veröffentlicht in:気管支学 1995, Vol.17 (3), p.86-86
Hauptverfasser: 佐々木悟, 立花康人, 田村久, 細川誉至雄, 伊志嶺篤, 佐藤くみ子, 渋谷直道, 黒川聰則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕気管支異物は, その意外性のために診断遅延例や誤診例の報告が多い. 当院で経験した気管支異物症例の診断, 治療上の問題点について検討した. 〔対象〕過去13年間に当院で経験した気管支異物症例で年令は7才から83才までの9例. X線非透過性異物5例, X線透過性異物4例を対象とした. 〔結果〕X線非透過性異物5例は全例歯科材料で誤嚥の時期が明らかであった. うち2例が1ヶ月以上の長期停留例であったが胸部X線にて異物指摘可能で診断は容易であった. X線透過性異物は4例とも食物誤嚥で魚骨2例, ピーナツ2例であった. 2例が喀血・血痰, 2例が咳嗽を主訴に受診, 異物誤嚥の自覚がないため診断が困難であった. 1例は初回内視鏡で診断. 残り3例は異物周囲の炎症性肉芽形成のため初回内視鏡で異物を確認できず, 確定診断はできなかった. この3症例中2例は抗生物質投与後局所炎症改善し, 再検内視鏡にて確定診断. 1例は喀血のコントロールつかず開胸後確定診断が得られた.
ISSN:0287-2137