下肺野優位の間質影を呈したサルコイドーシスに対する気管支鏡検査の有用性について

目的:臨床的にサルコイドーシス(サ症)が疑われる症例における気管支肺胞洗浄(BAL)および経気管支肺生検(TBLB)などの気管支鏡検査の有用性は, 補助的手段としてほぼ確立したものと考えられる. 今回, 他疾患との鑑別が必要であった下肺野優位の間質影を呈したサ症におけるBAL, TBLBの有用性を検討した. 対象:当院及び関連施設にてTBLBを施行したサ症159例中, 下肺野優位の間質陰影を呈したのは42~60歳の5例(3.1%)で, 男性2例, 女性3例であった. 結果および考察:胸部X線病期はII期4例, III期1例で, 肺外病変は4例に認められた. 3例がTBLBで非乾酪性類上皮細胞肉...

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Veröffentlicht in:気管支学 1995, Vol.17 (3), p.71-71
Hauptverfasser: 戸舘亮人, 佐藤篤彦, 早川啓史, 吉富淳, 妹川史朗, 豊嶋幹生, 森田純仁, 塚本克紀, 中野豊, 千田金吾
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:臨床的にサルコイドーシス(サ症)が疑われる症例における気管支肺胞洗浄(BAL)および経気管支肺生検(TBLB)などの気管支鏡検査の有用性は, 補助的手段としてほぼ確立したものと考えられる. 今回, 他疾患との鑑別が必要であった下肺野優位の間質影を呈したサ症におけるBAL, TBLBの有用性を検討した. 対象:当院及び関連施設にてTBLBを施行したサ症159例中, 下肺野優位の間質陰影を呈したのは42~60歳の5例(3.1%)で, 男性2例, 女性3例であった. 結果および考察:胸部X線病期はII期4例, III期1例で, 肺外病変は4例に認められた. 3例がTBLBで非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた. 2例はTBLBで診断がつかず, 開胸肺生検が施行され非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が得られた. BAL所見はリンパ球増加3例で, 2例は2.8%, 4.3%と正常範囲であった. 特発性間質性肺炎, 慢性過敏性肺炎など, 同様の胸部X線像を呈する疾患との鑑別に苦慮する場合には, 確定診断のため, 開胸肺生検が必要と考えられた.
ISSN:0287-2137