癌性中枢気道狭窄における Expandable Metallic Stent の有用性と合併症

癌性中枢気道狭窄例にexpandable metallic stent (EMS)を挿入・留置し, 患者のquality of life (QOL)向上における役割と合併症について検討した。対象は8症例(原発性肺癌7例および再発性食道癌の気管内浸潤1例)で, 全例手術適応はなくすでに化学療法あるいは放射線治療などが行われていた。局所麻酔下に気管内挿管し, 透視下に気管支鏡を併用してGianturco型EMSを挿入し, 以下の結論を得た。1) 呼吸困難感がHugh-Jones IV度以上の3症例では, 留置後ただちに症状の著明な軽減を認めた。2) 6症例においては, 留置後気道の開存を保ちながら...

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Veröffentlicht in:気管支学 1995/03/25, Vol.17(2), pp.146-156
Hauptverfasser: 安部, 幹雄, 細川, 芳文, 谷川, 恵, 小泉, 昭, 門田, 篤, 雨宮, 英子, 堀越, 昶, 澤田, 滋正, 堀江, 孝至
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:癌性中枢気道狭窄例にexpandable metallic stent (EMS)を挿入・留置し, 患者のquality of life (QOL)向上における役割と合併症について検討した。対象は8症例(原発性肺癌7例および再発性食道癌の気管内浸潤1例)で, 全例手術適応はなくすでに化学療法あるいは放射線治療などが行われていた。局所麻酔下に気管内挿管し, 透視下に気管支鏡を併用してGianturco型EMSを挿入し, 以下の結論を得た。1) 呼吸困難感がHugh-Jones IV度以上の3症例では, 留置後ただちに症状の著明な軽減を認めた。2) 6症例においては, 留置後気道の開存を保ちながら化学療法あるいは放射線治療などを安全に行うことができた。3) EMSの体外への逸脱(1例)以外には重篤な合併症はみられなかった。4) 比較的長期生存例ではEMS周囲から緑膿菌や肺炎桿菌が検出されており, 感染に関しては今後の課題であろう。5) 症例に応じてEMSを適切な時期に留置すれば, その後の治療および延命効果を含めた患者のQOL向上に十分有用であると考える。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.17.2_146