気管壁への広汎な浸潤を認めた胸腺小細胞癌の 1 例

気管浸潤を示した極めて稀な胸腺発生小細胞癌の1例を報告した。症例は50歳女性。嗄声がみられるようになり, 画像上悪性の縦隔腫瘍が疑われたため当科に入院となった。CTでは上前縦隔から中縦隔にかけての気管の右側に, 周囲へ浸潤かつ圧排性の進展を示す腫瘤がみられた。気管支鏡検査では, 気管の広範囲に渡り, 右外側壁から膜様部に腫瘍浸潤の所見を認めた。エコーガイド下の経皮的生検で小細胞癌と診断したが, 入院時すでにextended disease(正岡らの上皮性胸腺腫瘍のTNM分類ではT3N2M1)の状態であったため, CDDP, IFX, VP-16の三者による化学療法を施行した。PR相当の効果がみ...

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Veröffentlicht in:気管支学 1994/07/25, Vol.16(5), pp.498-502
Hauptverfasser: 森田, 祐二, 山岸, 雅彦, 原田, 尚雄, 佐々木, 拓子, 吉田, 和浩, 伊藤, 峰幸, 西海, 豊寛, 本田, 泰人, 浅川, 三男, 阿部, 庄作
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:気管浸潤を示した極めて稀な胸腺発生小細胞癌の1例を報告した。症例は50歳女性。嗄声がみられるようになり, 画像上悪性の縦隔腫瘍が疑われたため当科に入院となった。CTでは上前縦隔から中縦隔にかけての気管の右側に, 周囲へ浸潤かつ圧排性の進展を示す腫瘤がみられた。気管支鏡検査では, 気管の広範囲に渡り, 右外側壁から膜様部に腫瘍浸潤の所見を認めた。エコーガイド下の経皮的生検で小細胞癌と診断したが, 入院時すでにextended disease(正岡らの上皮性胸腺腫瘍のTNM分類ではT3N2M1)の状態であったため, CDDP, IFX, VP-16の三者による化学療法を施行した。PR相当の効果がみられ, 入院時高値を示していた血清NSE値も正常化した。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.16.5_498