肺結核症における気管支肺胞洗浄液ADA活性測定の意義に関する検討

〔目的〕胸水中のadenosine deaminase活性(ADA)測定は, 結核性胸膜炎の診断において有用とされている. そこで, 肺結核症における気管支肺胞洗浄液(BALF)ADA測定の意義について検討した. 〔対象〕1991年~1993年に当院で気管支肺胞洗浄を施行した肺結核症8例(粟粒結核6例)と特発性間質性肺炎(IIP)8例, サルコイドーシス(Sar)20例, その他15例の計51例を対象とした. 〔方法〕各疾患群についてBALF総細胞数, 細胞分画, CD4/8, Albumin, ADAを比較検討した. 肺結核症についてはADAで診断基準を設定した場合と各診断方法との診断率につ...

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Hauptverfasser: 久保田勝, 泉靖弘, 近藤えり, 鈴木道弘, 花田伸英, 高田信和, 片桐日佐子, 片桐真人, 矢那瀬信雄, 相馬一亥, 冨田友幸
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕胸水中のadenosine deaminase活性(ADA)測定は, 結核性胸膜炎の診断において有用とされている. そこで, 肺結核症における気管支肺胞洗浄液(BALF)ADA測定の意義について検討した. 〔対象〕1991年~1993年に当院で気管支肺胞洗浄を施行した肺結核症8例(粟粒結核6例)と特発性間質性肺炎(IIP)8例, サルコイドーシス(Sar)20例, その他15例の計51例を対象とした. 〔方法〕各疾患群についてBALF総細胞数, 細胞分画, CD4/8, Albumin, ADAを比較検討した. 肺結核症についてはADAで診断基準を設定した場合と各診断方法との診断率についても比較検討した. 〔結果〕(1)BALF-ADAは, 肺結核症で4.63±3.28IU/Lと他疾患に比べ有意に高い結果であった. (IIP 0.26±0.45, Sar 1.11±0.96, 肺結核症以外全例0.82±1.52IU/L)(2)ADA 2.0IU/L以上を肺結核症の診断基準とした場合, 感度87.5%, 特異性90.7%であった. (3)各種検体抗酸菌塗沫検査陰性の肺結核症(6例)は全例ADA2.0IU/L以上であった. 〔結語〕BALF-ADA測定は肺結核症の早期補助診断の1つとして有用と考えられた.
ISSN:0287-2137