肺野小型病変の診断のすすめかた

〔目的〕肺野小型病変(PSL)における診断の進めかたとそのstrategyを目的にPSLの診断の経過をretrospectiveに検討した. 〔対象〕86年9月~93年12月, X線上腫瘍径3cm以下のPSLで確定診断のため気管支鏡および肺針生検を施行した205例を対象にした. 〔結果〕205例の内訳は炎症性疾患59(肉芽腫34, 膿瘍17, 結核8), 良性腫瘍8, 肺癌114(内手術例93), 転移性肺腫瘍24. 炎症性疾患では肉芽腫と診断された多くは経過X線上腫瘍径は不変であったが画像上悪性も否定できず11例が開胸生検された. 肺炎, 膿瘍ではCRPの上昇した例もみられ, 全例がX線上明...

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Hauptverfasser: 森清志, 太田斉, 木代泉, 須賀由香理, 横井香平, 宮澤直人
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:〔目的〕肺野小型病変(PSL)における診断の進めかたとそのstrategyを目的にPSLの診断の経過をretrospectiveに検討した. 〔対象〕86年9月~93年12月, X線上腫瘍径3cm以下のPSLで確定診断のため気管支鏡および肺針生検を施行した205例を対象にした. 〔結果〕205例の内訳は炎症性疾患59(肉芽腫34, 膿瘍17, 結核8), 良性腫瘍8, 肺癌114(内手術例93), 転移性肺腫瘍24. 炎症性疾患では肉芽腫と診断された多くは経過X線上腫瘍径は不変であったが画像上悪性も否定できず11例が開胸生検された. 肺炎, 膿瘍ではCRPの上昇した例もみられ, 全例がX線上明らかに病変の縮小, 消失がみられた. 切除肺癌では11例が術前未確診であり, また経過観察中CEAの上昇により再検査にて2例が診断された. 転移性肺腫瘍の多くは孤立性病変で, 内20例は経過X線上, 陰影の出現や増大が認められ17例が原発性肺癌との鑑別のため開胸あるいは胸腔鏡下生検が施行された. 〔結語〕PSLの診断の進めかたとして, まず以前のX線と比較. 次に各種画像を用い診断を行うとともに血清学診断も参考とし必要に応じて確定診断のため気管支鏡等を行う. また画像上悪性を疑い細胞診学的診断が得られない場合は慎重な経過観察か積極的な開胸生検が必要であろう.
ISSN:0287-2137