胸腔鏡ガイド下肺葉切除とリンパ節郭清

胸腔鏡ガイド下肺葉切除の経験を報告する. 〔対象〕1992年9月から1994年1月までに胸腔鏡ガイド下肺葉切除を行った症例は16例であった. 原病は肺癌8例, 気管支拡張症5例, 肺結核2例, 平滑筋腫1例であった. 〔方法〕第7肋間から胸腔鏡を挿入し, 第5肋間に7.5~10cmのミニ開胸を行った. 癒着の剥離はロテイキュレーターエンドシザーを, 分葉不全の処理は, ENDO GIAやENDO TAを用いて行った. 肺動脈・肺静脈は, 細い枝は絹糸やエンドループで結紮し切離したが, 径が1cm以上の場合は, ENDO GIAやロテイキュレーターを用いて処理した. 気管支の処理は, 原則として...

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Hauptverfasser: 加勢田静, 石坂彰敏, 高橋正光, 並木雅彦, 田ノ上雅彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胸腔鏡ガイド下肺葉切除の経験を報告する. 〔対象〕1992年9月から1994年1月までに胸腔鏡ガイド下肺葉切除を行った症例は16例であった. 原病は肺癌8例, 気管支拡張症5例, 肺結核2例, 平滑筋腫1例であった. 〔方法〕第7肋間から胸腔鏡を挿入し, 第5肋間に7.5~10cmのミニ開胸を行った. 癒着の剥離はロテイキュレーターエンドシザーを, 分葉不全の処理は, ENDO GIAやENDO TAを用いて行った. 肺動脈・肺静脈は, 細い枝は絹糸やエンドループで結紮し切離したが, 径が1cm以上の場合は, ENDO GIAやロテイキュレーターを用いて処理した. 気管支の処理は, 原則としてロテイキュレーターで行った. 肺癌は, 初期の症例では, リンパ節郭清の段階で開胸術にコンバートしたが, 最近は5mmのポートや, エンドリトラクターを有効に利用して, ミニ開胸のままリンパ節郭清を行っている. 〔まとめ〕胸腔鏡手術用の器具や技術の進歩に伴って癒着や分葉不全の処理が可能となったことにより, 胸腔鏡ガイド下肺葉切除が容易になった. また, 肺癌のリンパ節郭清も可能となり, 胸腔鏡手術の適応が拡大した.
ISSN:0287-2137