肺剔除後の気管支断端瘻に対し気管支鏡的に閉鎖できた1例

症例は63歳, 男性. 右肺癌にて術前化学療法後, 右肺剔除術を施行した. 手術78日後, 多量の錆色の痰とともに呼吸困難が出現し, 緊急気管支鏡により気管支断端の針穴大の瘻孔と胸腔側からの気泡が認められ, 気管支断端瘻と診断した. 胸腔ドレーン挿入後, 気管支鏡的にフィブリン糊による気管支断端の充填をしたが空気漏出は止まらず, 気管支瘻発生30日目にオキシセル綿とアロンアルファAを断端に充填した. その後空気漏出は止まったが, 胸水に細菌感染がみられ膿胸を併発した. 感受性薬剤にて胸腔洗浄を行い気管支瘻発生130日目に胸腔ドレーンを抜去できた. 気管支断端瘻が一旦発生すると治療に難渋するが,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 1993, Vol.15 (6), p.592-592
Hauptverfasser: 斎藤勤, 中村光次, 山本弘幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は63歳, 男性. 右肺癌にて術前化学療法後, 右肺剔除術を施行した. 手術78日後, 多量の錆色の痰とともに呼吸困難が出現し, 緊急気管支鏡により気管支断端の針穴大の瘻孔と胸腔側からの気泡が認められ, 気管支断端瘻と診断した. 胸腔ドレーン挿入後, 気管支鏡的にフィブリン糊による気管支断端の充填をしたが空気漏出は止まらず, 気管支瘻発生30日目にオキシセル綿とアロンアルファAを断端に充填した. その後空気漏出は止まったが, 胸水に細菌感染がみられ膿胸を併発した. 感受性薬剤にて胸腔洗浄を行い気管支瘻発生130日目に胸腔ドレーンを抜去できた. 気管支断端瘻が一旦発生すると治療に難渋するが, 本例においてはアロンアルファAの気管支鏡的充填術は瘻孔閉鎖に有効であった.
ISSN:0287-2137