骨髄異形成症候群を合併した肺胞蛋白症の一例

症例は, トルエン吸入歴のある48歳男性. 平成3年1月頃より前胸部鈍痛, 労作時息切れを自覚するも放置. 4月に健康診断で胸部異常影を指摘され, 5月に当院に精査入院となった. 気管支肺胞洗浄液(BALF)の外観は米のとぎ汁様で, 放置すると二層に分離した. 肺組織では肺胞腔内にPAS陽性物質がみられた. 電顕にて, BALFおよび肺組織中のマクロファージに無構造の層状構造物が認められた. 末梢血では白血球減少が認められ精査の結果, 染色体異常(47XY, +8)を伴う骨髄異形成症候群(不応性貧血)と診断された. 治療は, 自覚症状は軽微で呼吸不全を認めないこと, 白血球減少により易感染性で...

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Veröffentlicht in:気管支学 1993, Vol.15 (4), p.75-75
Hauptverfasser: 赤座壽, 内藤龍雄, 浅井保行, 梅本雅也, 吉田聡, 加古恵子, 榊原博樹, 末次勤
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は, トルエン吸入歴のある48歳男性. 平成3年1月頃より前胸部鈍痛, 労作時息切れを自覚するも放置. 4月に健康診断で胸部異常影を指摘され, 5月に当院に精査入院となった. 気管支肺胞洗浄液(BALF)の外観は米のとぎ汁様で, 放置すると二層に分離した. 肺組織では肺胞腔内にPAS陽性物質がみられた. 電顕にて, BALFおよび肺組織中のマクロファージに無構造の層状構造物が認められた. 末梢血では白血球減少が認められ精査の結果, 染色体異常(47XY, +8)を伴う骨髄異形成症候群(不応性貧血)と診断された. 治療は, 自覚症状は軽微で呼吸不全を認めないこと, 白血球減少により易感染性であることより気管支肺胞洗浄法は施行せず, Ambroxal(ムコソルバン(R))投与にて外来経過視察とした. 平成4年11月には, 自覚症状は消失し胸部X線所見も改善した. 本症例は, 本邦2例目の骨髄異形成症候群合併の肺胞蛋白症である. 若干の文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0287-2137