気管腕頭動脈瘻に対する外科的救命例

目的:胸部外科疾患で発生する腕頭動脈瘻の処置は緊急を要する. 今回我々が救命し得た2症例を中心に文献的考察を加えた. 症例1:11歳, 女児. ダウン症候群に伴う呼吸不全で気管切開による長期人工呼吸管理を実施されていた. 平成4年6月突然気管切開孔より噴水状出血を認めたため緊急手術実施. 胸骨切開でカニューレカフを原因とする気管腕頭動脈瘻を確認. 血管遮断による腕頭動脈裂創の縫合と, 気管瘻口の縫合閉鎖を実施. 血管と気管の間に胸腺組織を挿入した. 症例2:47歳, 男性. 頚部食道癌に対し咽喉頭気管切除(modified Grillos method), 食道切除再建を実施した. 術後レスピ...

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Veröffentlicht in:気管支学 1993, Vol.15 (4), p.19-19
Hauptverfasser: 増田雄大, 今林悟, 中西良一, 吉田泰憲, 嶋津明, 光冨徹哉, 岡村健, 白日高歩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:胸部外科疾患で発生する腕頭動脈瘻の処置は緊急を要する. 今回我々が救命し得た2症例を中心に文献的考察を加えた. 症例1:11歳, 女児. ダウン症候群に伴う呼吸不全で気管切開による長期人工呼吸管理を実施されていた. 平成4年6月突然気管切開孔より噴水状出血を認めたため緊急手術実施. 胸骨切開でカニューレカフを原因とする気管腕頭動脈瘻を確認. 血管遮断による腕頭動脈裂創の縫合と, 気管瘻口の縫合閉鎖を実施. 血管と気管の間に胸腺組織を挿入した. 症例2:47歳, 男性. 頚部食道癌に対し咽喉頭気管切除(modified Grillos method), 食道切除再建を実施した. 術後レスピレーター管理中の2週間目に突然気管口周囲の大量出血を認めた. 用指圧迫下に胸骨縦切開. 腕頭動脈末端からの出血を確認し得たが, 血管壁の壊死高度のため再建を断念し腕頭動脈を結紮, 切除. 左大胸筋弁で動脈切断端を保護した. 考察:気管腕頭動脈瘻の救命例は岡部らによれば, 86例中49例である. 外科的処置として, 一般に人工血管使用は難しく局所条件が許せば修復を, それが困難な場合切断が望ましい.
ISSN:0287-2137