肺癌術後の気管支瘻の治療
目的:肺癌術後に発生した気管支瘻症例につき, その成因, 治療方法および治療成績について検討した. 対象:86年9月~92年12月までの肺癌切除例は231例で, そのうち術後気管支瘻が発生した8例(3.5%)を対象とした. 結果:全例右側肺癌例で, 切除術式は全摘1例, 上葉スリーブ切除1例, 中下葉切除3例, 下葉切除3例であった. 気管支瘻の発生要因としては術前化学療法, 切除範囲の拡大, 糖尿病, ステロイドの使用等が考えられた. 治療法は, 手術6例, 自然治癒, 無処置各1例であった. 手術は全摘例と上葉スリーブ切除および中下葉切除術後の各1例にcompletion pneumone...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 1993, Vol.15 (4), p.13-13 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:肺癌術後に発生した気管支瘻症例につき, その成因, 治療方法および治療成績について検討した. 対象:86年9月~92年12月までの肺癌切除例は231例で, そのうち術後気管支瘻が発生した8例(3.5%)を対象とした. 結果:全例右側肺癌例で, 切除術式は全摘1例, 上葉スリーブ切除1例, 中下葉切除3例, 下葉切除3例であった. 気管支瘻の発生要因としては術前化学療法, 切除範囲の拡大, 糖尿病, ステロイドの使用等が考えられた. 治療法は, 手術6例, 自然治癒, 無処置各1例であった. 手術は全摘例と上葉スリーブ切除および中下葉切除術後の各1例にcompletion pneumonectomy後, 有茎大網弁被覆術を施行した. 中下葉切除後の1例, 下葉切除後の2例には, 開胸術で離断された末梢側広背筋を肋間動静脈を栄養血管とする島状筋弁とし, それを用いた筋肉弁充填術を施行した. 大網弁被覆術を施行した3例中2例は治癒し, 1例は肺炎による呼吸不全にて死亡した. 筋肉弁充填術を施行した2例は一期的に治癒したが, 1例は気管支瘻が再発し, 有茎大網弁を充填し治癒せしめた. 結語:肺癌術後の気管支瘻の成因の中で新たなものとしては, 術前化学療法が挙げられる. 治療法として有茎大網弁は非常に有用な方法と思われるが, 有茎筋肉弁の利用も瘻孔の発生部位, 膿胸腔の大きさに応じて考慮されて良いと考える. |
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ISSN: | 0287-2137 |