当科における肺切除後気管支断端瘻の検討

目的:当科で経験した肺切除術後の気管支断端瘻症例につき, その背景因子, 治療法, 予後について検討したので報告する. 対象:1981年1月から1992年12月までに14例の気管支断端瘻症例を経験した. 性別は男性11例, 女性3例, 年齢は48歳から74歳(平均56.3歳)であった. 結果とまとめ:14例中12例(85.6%)は肺摘除術後に発生しており, その発生率は同期間中の肺摘除例104例の11.5%であった. 他の2例は肺葉切除例で, 発生率は0.2%であった. 原疾患は原発性肺癌13例, 膿胸1例であった. 気管支瘻発生の背景因子として, 術後人工呼吸が6例, 術前放射線治療が5例,...

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Veröffentlicht in:気管支学 1993, Vol.15 (4), p.12-12
Hauptverfasser: 乾健二, 横見瀬裕保, 板東徹, 大久保憲一, 小阪真二, 寺町政美, 高橋豊, 八木一之, 水野浩, 青木稔, 和田洋巳, 人見滋樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:当科で経験した肺切除術後の気管支断端瘻症例につき, その背景因子, 治療法, 予後について検討したので報告する. 対象:1981年1月から1992年12月までに14例の気管支断端瘻症例を経験した. 性別は男性11例, 女性3例, 年齢は48歳から74歳(平均56.3歳)であった. 結果とまとめ:14例中12例(85.6%)は肺摘除術後に発生しており, その発生率は同期間中の肺摘除例104例の11.5%であった. 他の2例は肺葉切除例で, 発生率は0.2%であった. 原疾患は原発性肺癌13例, 膿胸1例であった. 気管支瘻発生の背景因子として, 術後人工呼吸が6例, 術前放射線治療が5例, 気管支断端癌遺残3例などが考えられた. 治療はドレナージのみ3例, 断端再縫合2例, 胸郭成形および有茎性筋肉弁充填2例, 大網被覆6例であった. 状態が不安定で根本的治療法を直ちに行えなかった5例(35.7%)が瘻発生後1ヶ月以内に死亡した. 断端瘻の治療に大網被覆は極めて有用であった. また大網が使用不能の患者では筋肉弁充填が有用であった. 肺切除後気管支断端瘻の治療は急を要し, 早期に適切な治療が可能でないと予後不良であった.
ISSN:0287-2137