c-kit 発現強度の違いから見えるマウス造血幹細胞の多様性

「はじめに」 造血幹細胞(HSC)は, 自己複製と前駆細胞を経由して全ての血球へと分化することにより, 個体の一生涯に亘る造血を担っている. これらHSCの動態は, 細胞周囲環境からのシグナルと細胞固有の活性によって制御されると考えられている. ステムセルファクター(SCF)は, その特異的受容体であるc-kitを介してHSCを直接標的とし, HSCの運命に影響を与え得る主要な外的因子の1つである. 定常状態のマウス骨髄においては, 大部分のHSC活性はc-kit強陽性分画に存在する. インビトロでは, SCFがc-kitを介してHSCの生存・維持に働き, また他のサイトカインとの相乗作用によ...

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Veröffentlicht in:CYTOMETRY RESEARCH 2014/04/25, Vol.24(1), pp.19-23
Hauptverfasser: 佐々木, 豊, 松岡, 由和, 薗田, 精昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 造血幹細胞(HSC)は, 自己複製と前駆細胞を経由して全ての血球へと分化することにより, 個体の一生涯に亘る造血を担っている. これらHSCの動態は, 細胞周囲環境からのシグナルと細胞固有の活性によって制御されると考えられている. ステムセルファクター(SCF)は, その特異的受容体であるc-kitを介してHSCを直接標的とし, HSCの運命に影響を与え得る主要な外的因子の1つである. 定常状態のマウス骨髄においては, 大部分のHSC活性はc-kit強陽性分画に存在する. インビトロでは, SCFがc-kitを介してHSCの生存・維持に働き, また他のサイトカインとの相乗作用によって, HSCの増殖を促進することが知られている. しかし, 生体内におけるc-kitの機能は, あまりよく解明されていない. 例えば, c-kit変異マウスのHSCは, 成獣の定常状態骨髄においては維持されず, 移植を行ってもレシピエント骨髄では増殖できない.
ISSN:0916-6920
2424-0664
DOI:10.18947/cytometryresearch.24.1_19