ヒトiPS 細胞の移植治療時における腫瘍抑制法の開発
「はじめに」 ヒトiPS細胞を網膜色素上皮細胞, 神経細胞や心筋細胞等へ分化誘導後にそれらの欠損部位への移植治療が計画されている(1, 2). そして, 移植に際し多くの乗り越えるべき課題に対して本邦を中心として世界的に研究が進んでいる. 特に, 機能的に分化した細胞作成及び移植後の腫瘍発生の抑制は, 細胞の品質管理や安全性と共に極めて重要な点である. 分化したiPS細胞作成は, iPS細胞発見以前のヒトES細胞からの蓄積された分化誘導法を参考にして改良され, 様々な方法が試みられている. 一方, 移植後の腫瘍発生の原因は移植する細胞内に分化抵抗性の未分化細胞や前駆細胞が残存して, その増殖に...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | CYTOMETRY RESEARCH 2014/04/25, Vol.24(1), pp.13-17 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」 ヒトiPS細胞を網膜色素上皮細胞, 神経細胞や心筋細胞等へ分化誘導後にそれらの欠損部位への移植治療が計画されている(1, 2). そして, 移植に際し多くの乗り越えるべき課題に対して本邦を中心として世界的に研究が進んでいる. 特に, 機能的に分化した細胞作成及び移植後の腫瘍発生の抑制は, 細胞の品質管理や安全性と共に極めて重要な点である. 分化したiPS細胞作成は, iPS細胞発見以前のヒトES細胞からの蓄積された分化誘導法を参考にして改良され, 様々な方法が試みられている. 一方, 移植後の腫瘍発生の原因は移植する細胞内に分化抵抗性の未分化細胞や前駆細胞が残存して, その増殖による腫瘍形成と考えられている. したがって, 腫瘍発生の抑制のために, 利用する未分化細胞から完全に分化した細胞を作成する事が理想であるが, 様々な分化誘導法において100%近く目的とする分化細胞を得ることは純化の問題も含め困難と思われる. |
---|---|
ISSN: | 0916-6920 2424-0664 |
DOI: | 10.18947/cytometryresearch.24.1_13 |