不育症治療における同種免疫異常の検索と治療

【要約】 不育症の原因の1つとして同種免疫異常という概念がある. 父親由来の組織適合抗原を有する胎児が母体子宮内に生着するには特殊な免疫環境である免疫学的妊娠維持機構が構築される必要があり, 同種免疫異常とはこのシステムが破綻していることと考えられている. 現在では母体免疫が積極的に胎児抗原を認識して胎児胎盤の発育を促すImmunotrophismという概念が提唱され, 脱落膜と絨毛細胞を取り巻く免疫システムの中でTh1/Th2バランスはTh2優位に傾き, 液性免疫が優位な環境が形成されていると考えられている. また, Th1サイトカインを産生する細胞障害性T細胞の増殖を抑制するIDOが注目さ...

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Veröffentlicht in:CYTOMETRY RESEARCH 2010/09/25, Vol.20(2), pp.13-19
Hauptverfasser: 杉本, 公平, 川口, 里恵, 高橋, 絵里, 安田, 允, 田中, 忠夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【要約】 不育症の原因の1つとして同種免疫異常という概念がある. 父親由来の組織適合抗原を有する胎児が母体子宮内に生着するには特殊な免疫環境である免疫学的妊娠維持機構が構築される必要があり, 同種免疫異常とはこのシステムが破綻していることと考えられている. 現在では母体免疫が積極的に胎児抗原を認識して胎児胎盤の発育を促すImmunotrophismという概念が提唱され, 脱落膜と絨毛細胞を取り巻く免疫システムの中でTh1/Th2バランスはTh2優位に傾き, 液性免疫が優位な環境が形成されていると考えられている. また, Th1サイトカインを産生する細胞障害性T細胞の増殖を抑制するIDOが注目されており, これらの測定にサイトフローメトリーが有用である. 【緒言】 ここ数年来少子高齢化という社会問題が世間の関心事となるようになり, 昨年の政権交代をめぐる選挙では各党ともマニフェストとして少子高齢化対策を掲げていたことは記憶に新しい.
ISSN:0916-6920
2424-0664
DOI:10.18947/cytometryresearch.20.2_13