NKT細胞のアジュバント効果と抗腫瘍免疫応答への応用

「はじめに」 インバリアントNKT(iNKT)細胞は, T細胞抗原受容体(TCR)α鎖に可変性を持たないインバリアントTCRα鎖を発現し, CD1d分子によって提示された特定の糖脂質抗原を認識する. この特殊なT細胞サブセットは, 活性化されると短時間に大量のTヘルパー(Th)1およびTh2サイトカインを産生することから, 免疫制御において重要な役割を演じていると考えられている. 近年, NKT細胞は, 細胞傷害性T細胞(CTL)やナチュラルキラー(NK)細胞, 樹状細胞(DC)などの種々の免疫担当細胞を活性化して, 腫瘍拒絶に貢献することが明らかにされている. 本稿では, ヒトNKT細胞と樹...

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Veröffentlicht in:CYTOMETRY RESEARCH 2010, Vol.20 (1), p.19-25
Hauptverfasser: 成田弥生, 鈴木元晴, 劉天懿, 村上真理, 松岡由和, 中塚隆介, 長谷真, 河野比良夫, 佐々木豊, 廣澤成美, 坂本安, 植村靖史, 薗田精昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」 インバリアントNKT(iNKT)細胞は, T細胞抗原受容体(TCR)α鎖に可変性を持たないインバリアントTCRα鎖を発現し, CD1d分子によって提示された特定の糖脂質抗原を認識する. この特殊なT細胞サブセットは, 活性化されると短時間に大量のTヘルパー(Th)1およびTh2サイトカインを産生することから, 免疫制御において重要な役割を演じていると考えられている. 近年, NKT細胞は, 細胞傷害性T細胞(CTL)やナチュラルキラー(NK)細胞, 樹状細胞(DC)などの種々の免疫担当細胞を活性化して, 腫瘍拒絶に貢献することが明らかにされている. 本稿では, ヒトNKT細胞と樹状細胞の相互作用によるヘルパー応答制御機構および腫瘍微小環境制御における役割について, 最近の知見を踏まえて概説する. 「ヒトiNKT細胞の抗原認識」 ヒトiNKT細胞のTCRα鎖(Vα24-Jα18)には, TCR遺伝子再構成の際にN領域の挿入を伴わない均一なTCRAV24-AJ18遺伝子が使用されていることが大きな特徴となっている.
ISSN:0916-6920