von Willebrand病合併の外傷性頭蓋内出血 - 1-desamino-8-D-arginine vasopressin (DDAVP) を用いた1治療例

要旨: 33歳時にvon Willebrand病(VWD) type 2Aと診断されている46歳男性. 自転車走行中に転倒し頭部を打撲, 受傷した. 当院救急搬送時, 健忘症状以外の神経症状を認めなかった. 頭部CT上, 左側頭部急性硬膜下血腫, 左側頭葉脳挫傷, および外傷性くも膜下出血を認めた. 入院後1-desamino-8-D-arginine vasopressin (DDAVP)点鼻を用いた保存加療を開始した. その後の経過中に意識障害の増悪はなく電解質異常はみられなかった. 一方, 硬膜下血腫は入院翌日のCTで増大を認めその後は減少に転じた. VWDを有する患者では外傷性頭蓋内出...

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Veröffentlicht in:Neurosurgical Emergency 2021-03, Vol.26 (1), p.99-103
Hauptverfasser: 西岡和輝, 堤佐斗志, 肥後拓磨, 吉田賢作
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 33歳時にvon Willebrand病(VWD) type 2Aと診断されている46歳男性. 自転車走行中に転倒し頭部を打撲, 受傷した. 当院救急搬送時, 健忘症状以外の神経症状を認めなかった. 頭部CT上, 左側頭部急性硬膜下血腫, 左側頭葉脳挫傷, および外傷性くも膜下出血を認めた. 入院後1-desamino-8-D-arginine vasopressin (DDAVP)点鼻を用いた保存加療を開始した. その後の経過中に意識障害の増悪はなく電解質異常はみられなかった. 一方, 硬膜下血腫は入院翌日のCTで増大を認めその後は減少に転じた. VWDを有する患者では外傷性頭蓋内出血が生じやすく, また拡大しやすい. 更に手術に伴う出血性合併症のリスクが高いため急性期の対処方法が予後に大きく影響する. 本例ではDDAVPを用いた保存治療が有効であったが, VWF製剤の補充療法も治療選択肢として想定すべきと思われた.
ISSN:1342-6214