脳梗塞に対する血栓回収療法中に発症した上腕動脈塞栓症に対し頭蓋内血栓回収機器を用いて血栓回収した1例
症例は80歳,男性.意識障害,右半身麻痺にて発症した.精査にて発症4.5時間以内の左内頚動脈閉塞による脳梗塞と診断した.rt‒PA静注療法と血栓回収療法を施行した.血栓回収療法中に突然,左上腕血圧が測定不能となった.頭蓋内血栓回収療法を優先して行い,Door to Reperfusion 148分,TICI 2bを得た.続いて左上腕動脈塞栓症に対して頭蓋内血栓回収機器を用いて血栓回収療法を行い,Onset to Reperfusion 103分で再開通を得た.脳主幹動脈閉塞と急性四肢動脈閉塞は合併する可能性があり,脳卒中診療において四肢動脈閉塞を念頭に置いた診察は重要と考える.脳主幹動脈閉塞と...
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Veröffentlicht in: | NEUROSURGICAL EMERGENCY 2020, Vol.25(2), pp.372-377 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は80歳,男性.意識障害,右半身麻痺にて発症した.精査にて発症4.5時間以内の左内頚動脈閉塞による脳梗塞と診断した.rt‒PA静注療法と血栓回収療法を施行した.血栓回収療法中に突然,左上腕血圧が測定不能となった.頭蓋内血栓回収療法を優先して行い,Door to Reperfusion 148分,TICI 2bを得た.続いて左上腕動脈塞栓症に対して頭蓋内血栓回収機器を用いて血栓回収療法を行い,Onset to Reperfusion 103分で再開通を得た.脳主幹動脈閉塞と急性四肢動脈閉塞は合併する可能性があり,脳卒中診療において四肢動脈閉塞を念頭に置いた診察は重要と考える.脳主幹動脈閉塞と急性四肢動脈閉塞が合併した場合,脳組織は脆弱であるため,脳主幹動脈に対する血栓回収療法後,速やかに四肢動脈閉塞に対する加療を行うべきと考える.四肢動脈閉塞に対して頭蓋内血栓回収デバイスは有用である可能性があり,緊急時にはその使用も検討してもよいのではないかと考える. |
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ISSN: | 1342-6214 |
DOI: | 10.24723/jsne.25.2_372 |