破裂椎骨動脈解離性動脈瘤に対する後下小脳動脈の温存に努めた血管内治療 (internal trapping) の成績
要旨: 破裂椎骨動脈解離性動脈瘤(rVADA)に対する後下小脳動脈(PICA)の温存に努めた血管内治療(internal trapping)の治療成績を検討した. 2004年1月から2018年6月までにrVADAに対し血管内治療を行った連続19例を対象とした. 各症例の神経学的所見, 解離部位, 水頭症の有無, PICA温存の有無, 治療成績を検討した. 年齢は43-82(平均54.7)歳, 男性11例, 女性8例であった. 術前のHunt and Kosnik (H&K) gradeはIIIが3例, IVが10例, Vが6例であった. 解離部位とPICA分岐部との位置関係は, 解離部...
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Veröffentlicht in: | Neurosurgical Emergency 2020-03, Vol.25 (1), p.61-68 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨: 破裂椎骨動脈解離性動脈瘤(rVADA)に対する後下小脳動脈(PICA)の温存に努めた血管内治療(internal trapping)の治療成績を検討した. 2004年1月から2018年6月までにrVADAに対し血管内治療を行った連続19例を対象とした. 各症例の神経学的所見, 解離部位, 水頭症の有無, PICA温存の有無, 治療成績を検討した. 年齢は43-82(平均54.7)歳, 男性11例, 女性8例であった. 術前のHunt and Kosnik (H&K) gradeはIIIが3例, IVが10例, Vが6例であった. 解離部位とPICA分岐部との位置関係は, 解離部位がPICAを含むもの7例, PICAより遠位7例, PICAより近位2例, PICAが認められないもの3例であった. PICAの温存に努めたinternal trappingを行い, 水頭症合併例では脳室または脊髄ドレナージ施行した. 全例に手技に伴う合併症は認められず, 再出血は認められなかった. PICA灌流域の血流は16例で維持され, 解離部位がPICAを含む7例のうち4例で維持された. 転帰は90日後のmodified Rankin scale (mRS)で評価し, 0が3例, 1が5例, 2が3例, 4が3例, 6が5例であった. 転帰良好例(mRS 0-2)は11例(58%)であり, 全例でPICAが温存あるいはPICA灌流域が前下小脳動脈より灌流されていた. 死亡の5例はH&K grade Vの重症例であった. rVADAに対する血管内治療は再出血予防に有用であった. 転帰良好となるにはPICA灌流域の血流維持が重要であると考えられた. |
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ISSN: | 1342-6214 |