ドクターヘリで搬送された脳神経外科救急症例の検討

ドクターヘリは,輸送機としてのヘリコプターの機動性に加え,プレホスピタル・ケアに医師・看護師を医療資機材とともに投入することができるため,救急患者の転帰改善に貢献している.今回,脳神経外科救急におけるドクターヘリの有用性を評価するため,頭部外傷,脳卒中,その他の意識障害を脳神経外科救急の代表病態とし,ドクターヘリにて搬送されたこれらの症例を調査し,救急車搬送例との転帰の違いについて検討した. 対象は,2015年7月から2017年9月まで富山大学附属病院にドクターヘリで搬送された脳神経外科救急症例であり,病名・覚知から病院到着までの時間・接触時GCS・ドクターヘリでの処置・入院期間および転帰(退...

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Veröffentlicht in:NEUROSURGICAL EMERGENCY 2019, Vol.24(2), pp.109-115
Hauptverfasser: 高橋, 恵, 若杉, 雅浩, 波多野, 智哉, 天野, 浩司, 黒田, 敏, 奥寺, 敬
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ドクターヘリは,輸送機としてのヘリコプターの機動性に加え,プレホスピタル・ケアに医師・看護師を医療資機材とともに投入することができるため,救急患者の転帰改善に貢献している.今回,脳神経外科救急におけるドクターヘリの有用性を評価するため,頭部外傷,脳卒中,その他の意識障害を脳神経外科救急の代表病態とし,ドクターヘリにて搬送されたこれらの症例を調査し,救急車搬送例との転帰の違いについて検討した. 対象は,2015年7月から2017年9月まで富山大学附属病院にドクターヘリで搬送された脳神経外科救急症例であり,病名・覚知から病院到着までの時間・接触時GCS・ドクターヘリでの処置・入院期間および転帰(退院時modified rankin scale (mRS))を調査し,検討した.当該期間に113例がドクターヘリで搬送され,脳神経外科救急患者は39例(34.5%)であった.覚知から病着までの時間,接触時GCSは頭部外傷・脳卒中・その他の意識障害でほぼ同程度であった.ドクターヘリでの気管内挿管は「頭部外傷」でやや多く,薬物投与はすべての群で行われていた.救急車搬送例とドクターヘリ搬送例では,入院期間・退院時mRSともに有意差を認めなかった.一方,ドクターヘリの医師により適切な施設に搬送できたことや,Primary Survey(PS)が完了しているため病院到着から治療開始までの時間が短縮できたことが,良好な転帰に寄与したと考える症例を認め,その2症例を提示した.今後重症例に限定するなどの方法で再評価する予定である.
ISSN:1342-6214
DOI:10.24723/jsne.24.2_109