頭部外傷患者における血清リン酸化ニューロフィラメント (pNF-H) の有用性の検討
「要旨」: 【目的】頭部外傷患者のバイオマーカーの有用性は十分に解明されてない. 今回血清リン酸化ニューロフィラメント(pNF-H)に着目し, 頭部外傷患者の臨床所見及び転帰との関連を検討した. 【対象と方法】2015年7月から2016年7月に頭部外傷で入院中に末梢血採取及び頭部MRI検査を行った患者14例の搬送直後と72時間後の末梢血から免疫学的測定方法(ELISA法)にて血清pNF-H濃度を測定した. 頭部MRI検査は受傷後2-80日(中央値11日)に施行した. 血清pNF-H値と頭部MRI所見及び6ヶ月後の転帰との関連を検討した. 【結果】年齢中央値は61.5歳で, 男性9例, 女性5例...
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Veröffentlicht in: | Neurosurgical Emergency 2019-03, Vol.24 (1), p.32-38 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」: 【目的】頭部外傷患者のバイオマーカーの有用性は十分に解明されてない. 今回血清リン酸化ニューロフィラメント(pNF-H)に着目し, 頭部外傷患者の臨床所見及び転帰との関連を検討した. 【対象と方法】2015年7月から2016年7月に頭部外傷で入院中に末梢血採取及び頭部MRI検査を行った患者14例の搬送直後と72時間後の末梢血から免疫学的測定方法(ELISA法)にて血清pNF-H濃度を測定した. 頭部MRI検査は受傷後2-80日(中央値11日)に施行した. 血清pNF-H値と頭部MRI所見及び6ヶ月後の転帰との関連を検討した. 【結果】年齢中央値は61.5歳で, 男性9例, 女性5例, 搬入時GCS(Glasgow Coma Scale)中央値は7.5であった. 頭蓋内病変は, 急性硬膜下血腫3例, 急性硬膜外血腫1例, 外傷性クモ膜下出血5例, 脳挫傷5例であった. 退院時転帰は転帰良好群が9例, 転帰不良群は5例であった. 6ヶ月後転帰は良好群が11例, 不良群が3例であった. 血清pNF-HはDay 0に3例(平均6.5 pg/ml), Day 3に5例(平均31.7 pg/ml)で検出された. Day 3に血清pNF-Hが検出された患者は高い特異度を持って脳実質内に拡散強調画像(DW-MRI)で高信号を示した. また血清pNF-Hが検出された患者において6ヶ月後の転帰不良が多かった. 【結論】頭部外傷患者の72時間後の血清pNF-Hは脳損傷を判別するバイオマーカーとなる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1342-6214 |