シガテラ中毒様症状後にギラン・バレー症候群を発症した1例
「抄録」症例は20歳代女性. 昼にイトヨリダイを食べ, 夕方から気分不良, 嘔吐が生じた. 2日後起床時から冷たいものを触ると異常に冷たく感じる様になった. 嘔吐が続くため当院を受診し, ドライアイスセンセーションと考えられ, 食事内容からシガテラ中毒が疑われた. 第6病日に入院したが, 翌日から筋力低下, 腱反射減弱を生じ, 翌日には近位筋優位の筋力低下を認めたため, 神経伝導検査を施行し, ギラン・バレー症候群 (GBS) を発症したと考え, 同日から免疫グロブリン大量療法を開始した. その後, 顔面麻痺や嚥下障害, 呼吸障害などが生じたが, 第14病日 (GBSの第8病日) が最も症状が...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 川崎医学会誌 2021, Vol.47, p.77-81 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「抄録」症例は20歳代女性. 昼にイトヨリダイを食べ, 夕方から気分不良, 嘔吐が生じた. 2日後起床時から冷たいものを触ると異常に冷たく感じる様になった. 嘔吐が続くため当院を受診し, ドライアイスセンセーションと考えられ, 食事内容からシガテラ中毒が疑われた. 第6病日に入院したが, 翌日から筋力低下, 腱反射減弱を生じ, 翌日には近位筋優位の筋力低下を認めたため, 神経伝導検査を施行し, ギラン・バレー症候群 (GBS) を発症したと考え, 同日から免疫グロブリン大量療法を開始した. その後, 顔面麻痺や嚥下障害, 呼吸障害などが生じたが, 第14病日 (GBSの第8病日) が最も症状が悪かった日で, その後徐々に回復し, 第42病日にリハビリテーション病棟に転棟し, 第75病日に退院した. シガテラ中毒は, 熱帯・亜熱帯地域で多く発症し, 日本では沖縄からの報告が多いが, 本州での報告もあり, 温暖化に伴い今後本州において増えてくる可能性があると思われる. ドライアイスセンセーションの症状を呈する患者を診た場合, シガテラ中毒を疑うことが重要である. また, 稀ではあるが, ギラン・バレー症候群を併発する症例もあるので, 筋力や腱反射をフォローし, 異常が生じた場合には, GBSを疑い早期診断・早期治療をすることが予後を左右すると思われる. |
---|---|
ISSN: | 0386-5924 |
DOI: | 10.11482/kmj-j202147077 |