水素水はラット下部尿路閉塞モデルにおける膀胱機能改善効果を示す

「抄録」下部尿路症状(low urinary tract symptoms: LUTS)は, 動脈硬化や前立腺肥大症に伴う下部尿路閉塞による膀胱血流障害が原因の一つとして考えられており, 症状として排尿症状, 畜尿症状, 排尿後症状がある. ラットの下部尿路閉塞(bladder outlet obstruction: BOO)モデルは閉塞に伴い膀胱虚血を生じさせ, 酸化ストレス状態を惹起し, LUTSを引き起こす病態モデルとして確立されている. 近年, 水素がもつ抗酸化, 抗アポトーシス作用が注目されており, 様々な臓器において組織の保護作用を示すことが解明され, 様々な疾患の予防と治療に応用...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:川崎医学会誌 2018, Vol.44 (2), p.137-149
1. Verfasser: 清水真次朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」下部尿路症状(low urinary tract symptoms: LUTS)は, 動脈硬化や前立腺肥大症に伴う下部尿路閉塞による膀胱血流障害が原因の一つとして考えられており, 症状として排尿症状, 畜尿症状, 排尿後症状がある. ラットの下部尿路閉塞(bladder outlet obstruction: BOO)モデルは閉塞に伴い膀胱虚血を生じさせ, 酸化ストレス状態を惹起し, LUTSを引き起こす病態モデルとして確立されている. 近年, 水素がもつ抗酸化, 抗アポトーシス作用が注目されており, 様々な臓器において組織の保護作用を示すことが解明され, 様々な疾患の予防と治療に応用できることが多施設, 多領域から報告されている. 今回, ラットBOOモデルに対して, 水素水(Hydrogen Water: H2)投与を行い, 抗酸化作用の検証に加え, 水素水が影響を及ぼす代表的メディエーターの探索を行った. BOOモデルの作成には, 9週齢の雌性ラットを用いた. 開腹し, 尿道に19G針を沿わせた状態で尿道を結紮し, 尿道の部分閉塞を作成した. 作成直後からsham群, 水素水非投与(BOO H2(-))群と投与(BOO H2(+))群に分け, 4週間後, 膀胱機能検査と組織学的, 生化学的および免疫組織学的検討を行った. なお, 水素水は経口投与した. 膀胱重量および一回排尿量は, sham群に対して BOO H2(+)群で有意差はなかったが, BOO H2(-)群で有意に増加していた(重量 p
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/KMJ-J44(2)137