同種臍帯血ミニ移植を施行し, graft-versus-leukemia effectを認めた家族性白血化骨髄異形成異形成症候群の1例

症例は65歳, 男性. 28年前に長男, 25年前に兄が急性骨髄性白血病で死亡. 4月汎血球減少が出現し, 9月白血化骨髄異形成症候群と診断された. 芽球は表面CD13, CD33, CD34陽性. 化学療法後に芽球消失するも不応性貧血は持続し, 同種臍帯血ミニ移植術を受けた. 移植後, 皮膚のgrade Iの急性移植片対宿主病(GVHD)を合併するも重篤な合併症を認めなかった. しかし, 移植6ヶ月後に血小板減少と肝機能障害を認め, 骨髄穿刺で, CD4, CD13, CD33, CD56陽性芽球を46.5%認め再発した. 皮膚慢性GVHDに対するFK506隔日0.5mg内服を中止したところ...

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Veröffentlicht in:川崎医学会誌 2008, Vol.34 (2), p.117-123
Hauptverfasser: 土山準二郎, 久住英二, 谷口修一, 富田任, 佐藤洋, 本間圭一郎, 東村益孝, 岡塚貴世志, 桃井明仁, 阿部崇, 矢野敏雄, 黒羽高志, 古川達雄, 鳥羽健, 布施一郎, 伊藤薫, 梅津哉, 高橋益弘, 定平吉都, 相澤義房
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65歳, 男性. 28年前に長男, 25年前に兄が急性骨髄性白血病で死亡. 4月汎血球減少が出現し, 9月白血化骨髄異形成症候群と診断された. 芽球は表面CD13, CD33, CD34陽性. 化学療法後に芽球消失するも不応性貧血は持続し, 同種臍帯血ミニ移植術を受けた. 移植後, 皮膚のgrade Iの急性移植片対宿主病(GVHD)を合併するも重篤な合併症を認めなかった. しかし, 移植6ヶ月後に血小板減少と肝機能障害を認め, 骨髄穿刺で, CD4, CD13, CD33, CD56陽性芽球を46.5%認め再発した. 皮膚慢性GVHDに対するFK506隔日0.5mg内服を中止したところ造血は回復し, 4週後の骨髄で白血病芽球の消失とキメリズム解析でドナー型99.5%を確認した. 本例は臍帯血ミニ移植後再発した白血化骨髄異形成症候群に対し, 免疫抑制剤中止にてGVL効果を観察し得た貴重な症例と考えられる.
ISSN:0386-5924