保存療法を施行した顎関節円板前方転位症例の臨床経過ならびにMRI所見の検討
平成13年4月から平成14年7月までに片側性顎関節症の臨床診断のもとに顎関節MRIを撮像し, スプリント療法と薬物療法を中心にした保存的治療により加療し, 終了後2年以上経過した27名(27関節)を研究対象とし, 臨床経過とMR像との関係を検討した. それらをMRIにより関節円板に復位を伴うIIIa群12名(12関節), 関節円板に復位を伴わないIIIb群15名(15関節)に分類した. 対象の27名の内訳は男性8名, 女性19名であった. 年齢は平均40.6±19.2歳であった. 患側は右側が22関節, 左側が5関節であった. 結果を以下に示した. 初診時の最大開口度は, IIIa群は36.8...
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Veröffentlicht in: | 川崎医学会誌 2005, Vol.31 (4), p.227-233 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 平成13年4月から平成14年7月までに片側性顎関節症の臨床診断のもとに顎関節MRIを撮像し, スプリント療法と薬物療法を中心にした保存的治療により加療し, 終了後2年以上経過した27名(27関節)を研究対象とし, 臨床経過とMR像との関係を検討した. それらをMRIにより関節円板に復位を伴うIIIa群12名(12関節), 関節円板に復位を伴わないIIIb群15名(15関節)に分類した. 対象の27名の内訳は男性8名, 女性19名であった. 年齢は平均40.6±19.2歳であった. 患側は右側が22関節, 左側が5関節であった. 結果を以下に示した. 初診時の最大開口度は, IIIa群は36.8±9.6mm, IIIb群は31.6±6.7mmであった. 初診時VASは, IIIa群は28.5±19.9, IIIb群は39.0±27.6であった. 治療を開始して平均3.9か月後の最終受診時開口度は, IIIa群は45.6±9.9mm, IIIb群は40.6±4.6mmであった. 治療後は二群ともに初診時より有意に最大開口度は改善していた. 最終VASは, IIIa群は4.9±9.4, IIIb群は7.1±8.1であった. 治療後は二群ともに初診時より有意にVASは低下していた. 予後は23名で改善したが, 4名は改善が見られず, 保存療法の奏功率は85.2%であった. 改善のみられなかった4名のうち3名はIIIa群, 1名はIIIb群であった. MR画像所見ではjoint effusionは, IIIa群ではgrade1は4例, grade2は2例, grade3は6例であった. IIIb群ではgrade0は5例, grade1は4例, grade2は3例, grade3は3例であった. 円板後部組織の線維化はIIIa群の4例にのみ見られたが, 二群間に有意差はみられなかった. また初診時ならびに最終受診時の最大開口度と各時期のVASの間には二群とも相関はみられなかった. 初診時ならびに最終受診時の臨床診査項目とMRI診査項目間には, いずれの項目間にも関連性はみられなかった. |
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ISSN: | 0386-5924 |