脳神経外科緊急症例におけるテレコンサルテーションシステムの有用性

遠隔地病院では, 緊急を要する脳神経外科疾患の患者が来院した場合に必ずしも脳神経外科医が待機しているわけではない. そこで, 我々はテレコンサルテーションシステムで画像を伝送することにより, 脳神経外科医による読影のもと搬送の必要性を決定するシステムを構築した. このシステムは, CT画像を8mmビデオで撮影し, これをNTT社製VM-8でアナログ電話回線を使用して伝送する方式である. そのためにコンピューターやISDN回線, 他のデジタル回線は必要とせず, 非常にシンプルな構造で安価である. 実際に53例の画像伝送を行ったが, 1画像あたりの伝送には約40秒で, 1例につき2~3画像伝送し臨...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:川崎医学会誌 2000, Vol.26 (1), p.1-5
Hauptverfasser: 石井則宏, 平野一宏, 毛利豊, 今村和弘, 鎌田昌樹, 渡辺明良, 鈴木康夫, 石井鐐二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:遠隔地病院では, 緊急を要する脳神経外科疾患の患者が来院した場合に必ずしも脳神経外科医が待機しているわけではない. そこで, 我々はテレコンサルテーションシステムで画像を伝送することにより, 脳神経外科医による読影のもと搬送の必要性を決定するシステムを構築した. このシステムは, CT画像を8mmビデオで撮影し, これをNTT社製VM-8でアナログ電話回線を使用して伝送する方式である. そのためにコンピューターやISDN回線, 他のデジタル回線は必要とせず, 非常にシンプルな構造で安価である. 実際に53例の画像伝送を行ったが, 1画像あたりの伝送には約40秒で, 1例につき2~3画像伝送し臨床情報を入手しても約5~10分を要するのみであった. また伝送されたCT画像の画質は搬送の必要性を判断するには読影上まったく問題はなかった. 当院から遠隔地病院までは約100km離れていて, 搬送には1時間を要する. この1時間を利用し治療準備やスタッフの招集を行い, 早期に治療を開始できたことは脳神経外科患者の救命救急治療に対して非常に有用であった. 今回, これらの使用経験を報告し, 今後の問題点と課題について検討した.
ISSN:0386-5924