上顎洞原発未分化癌の1例
今回我々は88歳男性で, 左上顎洞に原発し肝細胞癌との重複例で, 手術と放射線療法にて治療を行った未分化癌の症例を経験した. 初発症状は左鼻閉感と左鼻出血で, 左鼻腔内の腫瘤に気付き, 近医耳鼻科を受診し生検にて腺癌と診断され, 当科紹介受診し左上顎洞癌の疑いにて入院となった. 術前組織診断では, 低分化癌であったが, 術後組織診断は未分化癌であった. 手術と放射線療法で治痴を行い経過良好にて退院したが, 退院後1ケ月目のCTで腫瘍の再発と頸部リンパ節転移を認め再入院となった. 年齢を考慮し, 家族とも相談の上, 痩:痛の除去を目的とした対症疫法を行った. 鼻副鼻腔に原発する癌腫の大部分は,...
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Veröffentlicht in: | 川崎医学会誌 1998, Vol.24 (1), p.53-57 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回我々は88歳男性で, 左上顎洞に原発し肝細胞癌との重複例で, 手術と放射線療法にて治療を行った未分化癌の症例を経験した. 初発症状は左鼻閉感と左鼻出血で, 左鼻腔内の腫瘤に気付き, 近医耳鼻科を受診し生検にて腺癌と診断され, 当科紹介受診し左上顎洞癌の疑いにて入院となった. 術前組織診断では, 低分化癌であったが, 術後組織診断は未分化癌であった. 手術と放射線療法で治痴を行い経過良好にて退院したが, 退院後1ケ月目のCTで腫瘍の再発と頸部リンパ節転移を認め再入院となった. 年齢を考慮し, 家族とも相談の上, 痩:痛の除去を目的とした対症疫法を行った. 鼻副鼻腔に原発する癌腫の大部分は, 上顎洞に発生し病理組織学的には扁平上皮癌が多い. 未分化癌は, きわめて稀であり局所制御が困難で遠隔転移が高率に生ずる組織型である. 上顎洞扁平上皮癌に比べ, 極端に余後不良な上顎洞未分化癌の標準的な治疫法の権立が望まれる. |
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ISSN: | 0386-5924 |