対人援助職者における感情体験の社会的共有が感情状態に与える影響

「著者抄録」本研究の目的は対人援助職者の感情体験であるポジティブ, ネガティブ職業生活出来事(PWLEとNWLE)の社会的共有が, 彼らのポジティブ, ネガティブ感情(PAとNA)とうつで代表される感情状態に与える影響について検討することであった. そのため社会的共有をPWLE, NWLEの開示行動(PWLE-D, NWLE-D)と, それらに対する応答行動(PWLE-R, NWLE-R)で捉えた. また社会的共有がPAとNA, およびうつに与える影響をWithinレベルとBetweenレベルに分けてモデル化し, 分析した. この研究では看護師, 介護福祉士, 保育士の3職種からなる対人援助職...

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Veröffentlicht in:KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCES 2019 (45), p.43-60
1. Verfasser: 森本寛訓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「著者抄録」本研究の目的は対人援助職者の感情体験であるポジティブ, ネガティブ職業生活出来事(PWLEとNWLE)の社会的共有が, 彼らのポジティブ, ネガティブ感情(PAとNA)とうつで代表される感情状態に与える影響について検討することであった. そのため社会的共有をPWLE, NWLEの開示行動(PWLE-D, NWLE-D)と, それらに対する応答行動(PWLE-R, NWLE-R)で捉えた. また社会的共有がPAとNA, およびうつに与える影響をWithinレベルとBetweenレベルに分けてモデル化し, 分析した. この研究では看護師, 介護福祉士, 保育士の3職種からなる対人援助職者180人に4波からなるWeb調査を実施した. 調査で得られたデータをマルチレベル構造方程式モデリングによって分析した. 分析結果より, PWLE-DとPWLE-Rからなる社会的共有はWithin, Betweenの両レベルでPAの状態を高め, うつ状態を低める傾向が示された. さらにNWLE-DとNWLE-Rからなる社会的共有では, NWLE-Rを媒介しない時には両レベルでNAとうつの状態を高める傾向が認められたが, NWLE-Rを媒介する時にはWithinレベルではNAとうつの状態を高め, BetweenレベルではNAとうつの状態を低める傾向があると示唆された.
ISSN:0386-5398
DOI:10.11482/KMJ-LAS201945043