患者教育のための指導技法を習得させる教授法の開発-その4糖尿病食事療法指導上の問題点の分析
栄養科の学生は臨床実習の一つとして糖尿病患者への食事指導を実施している. まずこの実習体験によって気づいた患者への指導上の問題点を質問紙法と面接法によって調査した. 次に, 教育学の講義の中で教え方の基本事項を教授した後に新たに気づいて来た問題点やその改善法を再調査して考え方の変化を比較した. その結果, 学生が問題点としてあげたものは次の二つに大別される. 患者側に原因のあるもの(やる気がない, 理解できない, 実行できない, 個人的事情がある), 指導者側に原因のあるもの(内容の不適切, 方法がよくない, コミュニケーションの失敗, 信頼関係ができないなど)授業の前後での考え方を比較すると...
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Veröffentlicht in: | KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE 1988, Vol.14, p.33-43 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 栄養科の学生は臨床実習の一つとして糖尿病患者への食事指導を実施している. まずこの実習体験によって気づいた患者への指導上の問題点を質問紙法と面接法によって調査した. 次に, 教育学の講義の中で教え方の基本事項を教授した後に新たに気づいて来た問題点やその改善法を再調査して考え方の変化を比較した. その結果, 学生が問題点としてあげたものは次の二つに大別される. 患者側に原因のあるもの(やる気がない, 理解できない, 実行できない, 個人的事情がある), 指導者側に原因のあるもの(内容の不適切, 方法がよくない, コミュニケーションの失敗, 信頼関係ができないなど)授業の前後での考え方を比較すると, 授業前は患者自身, 特に患者の個人的事情(病状, 個性, 環境)に起因してやる気がなく, 実行できないと考えている者が多かった. しかし, 授業後には指導者側の方へ観点がうつり, 特に指導方法, (患者への動機づけ, 相手に合った方法, 結果の確認など)に問題があることに気づくようになった. さらに, コミュニケーションを深め, 信頼関係の樹立に努めることの大切さにも着目できるようになった. これらは患者を中心にした指導の重要性を認識できるようになったことのあらわれといえよう. |
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ISSN: | 0386-5398 |
DOI: | 10.11482/kmj-las(14)33 |