患者教育のための指導技法を習得させる教授法の開発-その3糖尿病食事療法の指導目標の分析能力

患者にわかりやすく教えるためには, 指導すべき事柄を組織的に分類, 整理しておくことが重要である. これが目標分析である. 栄養科の学生は指導法の授業を受けることによって糖尿病患者の食事指導についての目標分析能力が高まることが前回の研究によって示唆された. 今回の研究はこの事をさらに実証的に確認しようとするものである. 食事指導の目標を次の五項目に分類した. A, 目的;食事調べへの動機づけ. B, 方法;食品交換表の使用法. C, 実施;実際の調べ方. D, 考察;結論を出す. E, 発展;応用して献立を作る. さらに各項目に説明内容を付け加えた. 学生が指導しようと考えた事を授業の前後に記...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE 1987, Vol.13, p.1-16
Hauptverfasser: 片山英雄, 林喜美子, 寺本房子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:患者にわかりやすく教えるためには, 指導すべき事柄を組織的に分類, 整理しておくことが重要である. これが目標分析である. 栄養科の学生は指導法の授業を受けることによって糖尿病患者の食事指導についての目標分析能力が高まることが前回の研究によって示唆された. 今回の研究はこの事をさらに実証的に確認しようとするものである. 食事指導の目標を次の五項目に分類した. A, 目的;食事調べへの動機づけ. B, 方法;食品交換表の使用法. C, 実施;実際の調べ方. D, 考察;結論を出す. E, 発展;応用して献立を作る. さらに各項目に説明内容を付け加えた. 学生が指導しようと考えた事を授業の前後に記述させ, その記述内容を到達度と向上率の2点から判定し授業効果をとらえた. 授業効果の認められたものは, A, 目的, C, 実施, E, 発展であった. B, 方法は授業前からある程度理解していた. D, 考察は学習効果が認められなかった. 以上の結果から, 学生が指導しようと考えたものは, 指導の順序に従って指導事項を配列する水準にとどまっており, 組織的, 構造的な目標分析には至っていないことが明らかになった.
ISSN:0386-5398
DOI:10.11482/kmj-las(13)1