学習発達段階の相異による関数概念の形成過程-その4, 改善指導案による授業の効果
「概要」関数概念の形成過程を発達の面から検討した. 総合的な指導の中へ関数概念を集中的に指導できるように改善した指導案で, 小学校第2,3,4学年の児童に授業を実施した. その結果, 2年の理解は3年より劣るが, 基礎的な判断や簡単なきまりをみつけることなどはできるので, 関数の素地となる考え方を育てはじめる時期といえよう. 3年は, きまりを表すことをのぞき, どの内容も4年に近い水準で理解していることが明らかになった. こうした授業により関数概念の基本的事項の指導が可能であることが予想される. 4年は, この授業の効果が一番よく認められた. 特にきまりを式に表すことに優れており, 抽象的な...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE 1984, Vol.10, p.11-20 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「概要」関数概念の形成過程を発達の面から検討した. 総合的な指導の中へ関数概念を集中的に指導できるように改善した指導案で, 小学校第2,3,4学年の児童に授業を実施した. その結果, 2年の理解は3年より劣るが, 基礎的な判断や簡単なきまりをみつけることなどはできるので, 関数の素地となる考え方を育てはじめる時期といえよう. 3年は, きまりを表すことをのぞき, どの内容も4年に近い水準で理解していることが明らかになった. こうした授業により関数概念の基本的事項の指導が可能であることが予想される. 4年は, この授業の効果が一番よく認められた. 特にきまりを式に表すことに優れており, 抽象的な思考力の発達が確認できた. 「I目的」本研究は小学校算数科における「関数概念の形成過程」を発達の面から検討した一連の研究の一つである. これまでの研究で, 3年と4年の比較(1)(坂田, 片山1981a)では, 3年も4年に近い理解に到達できるが, 4年は「きまりをみつけて数値をきめる」ことに優れていること, 2年と3年の比較(2)(片山1983a)では, 2年でも「つながり(関係)」を「ともなって変わる」考えで指導すれば理解させることが可能であり, 3年は「きめればきまる」の考えも理解できること, さらに, 2年と4年の比較(3)(片山1983b)では, 両学年とも「つながり」の理解に「ともなって変わる」考えを根拠にしていること, 誤答の中にも共通点がみられることなどが判明してきた. |
---|---|
ISSN: | 0386-5398 |
DOI: | 10.11482/kmj-las(10)11 |