学習発達段階の相異による関数概念の形成過程-その2小学校第2学年と第3学年

「概要」小学校において「関数の考え」を第2学年に導入することは可能であろうか. これを, 算数学習能力のほぼ等質な第2,3学年の児童に同一の授業を実施して研究した. その結果, 2年でも「つながり(関係)」を「ともなって変わる」考えをもとにして指導すれば理解させることが可能であることが判明した. 3年では, 一対一対応(きめればきまる)の考えも指導できるので, 「関数の考え」の基礎的な事項の指導が可能であることを確認した. I目的 現行の小学校学習指導要領(文部省1977)では, 抽象的な概念である「関数の考え」は, 小学校4年で指導することになっている. 以前この関数は数学教育現代化の流れに...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE 1983, Vol.9, p.1-8
1. Verfasser: 片山英雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「概要」小学校において「関数の考え」を第2学年に導入することは可能であろうか. これを, 算数学習能力のほぼ等質な第2,3学年の児童に同一の授業を実施して研究した. その結果, 2年でも「つながり(関係)」を「ともなって変わる」考えをもとにして指導すれば理解させることが可能であることが判明した. 3年では, 一対一対応(きめればきまる)の考えも指導できるので, 「関数の考え」の基礎的な事項の指導が可能であることを確認した. I目的 現行の小学校学習指導要領(文部省1977)では, 抽象的な概念である「関数の考え」は, 小学校4年で指導することになっている. 以前この関数は数学教育現代化の流れにのって3年で指導されていた. しかし, 集合などの現代化教材が指導困難であるとされるとともに, 現行のようにあらためられた. はたして「関数の考え」は何学年ごろの児童に理解させることが可能なのであろうか. 「関数の考え」の育成は, 中学, 高校の関数指導と深い関連をもつものとして, 児童に最初に身につけさせる内容であり, 小学校算数科のあいまいな指導は許されない. また, 学校数学において, 二つの事柄の関係として物事の本質をとらえることは高次の思考を必要とするが, それだけ効果も高いと思われる.
ISSN:0386-5398
DOI:10.11482/kmj-las(9)1